環境配慮コンクリート「T-eConcrete®」でJ-クレジットを創出
環境価値をクレジット化し、脱炭素社会実現に貢献
2023年3月29日
大成建設グループは、持続可能な環境配慮型社会を実現するために、2050年に向けたグループ長期環境目標「TAISEI Green Target 2050」を定め、「3つの社会(脱炭素社会、循環型社会、自然共生社会)」の実現と、「2つの個別課題(森林資源・森林環境、水資源・水環境)」の解決を目指しています。この度、企業などが削減したCO2を国がクレジットとして認証する「J-クレジット制度※1」において、環境配慮コンクリート「T-eConcrete」を用いることで創出したCO2排出削減量に対して、2023年3月15日付でJ-クレジット制度認証委員会よりクレジット認証を受けたことをお知らせいたします。
大成建設では、建設の各フェーズに対応した脱炭素技術の開発と適用を実施しています。資材調達フェーズにおいてはCO2排出量の少ない材料の選定を推進しており、中でも建設物において多くの資材量を占めるコンクリートを対象として、環境負荷低減をテーマに研究開発を行ってきました。コンクリートに由来するCO2排出量のほとんどは、構成材料であるポルトランドセメントの製造時に発生する事象に着目し、セメントの使用量を抑制することでCO2排出量を削減する「T-eConcrete」シリーズの開発と実施案件への適用を推進しています。
今般、当社技術センターの音響実験棟において「T-eConcrete」のうち「建築基準法対応型」を適用することで、J-クレジットを創出しました。建築基準法対応型は、コンクリートを構成するセメントを減らして代わりに高炉スラグ(製鉄過程で生じる産業副産物)を使用し、建築基準法に準拠した建築物の基礎などに採用することが可能となります。今回の取り組みでは32tのCO2排出削減量がクレジットとして認証されました。
今後当社は、「T-eConcrete」の採用を推進し、お客様の要望に合せて環境価値をクレジットとして明確化することで、CO2削減に向けたお客様の事業活動を支援し脱炭素社会の実現に貢献してまいります。
- 【建物概要】
- 名称:音響実験棟「音響のラボ」
延床面積: 1,104㎡
階数:地上2階
構造:S造 - ●コンクリート使用時のCO2排出量
・ベースコンクリート※2 :225kg-CO2/㎥
・T-eConcrete建築基準法対応型 :104kg-CO2/㎥ - ●使用コンクリート量 :270㎥(基礎・1Fスラブ)
- ●CO2排出削減量 :32t-CO2
(225-104)×270 ≒ 32t-CO2
- ※1J-クレジット制度:省エネ設備の導入や再生可能エネルギーの活用によるCO2等の排出削減量や適切な森林管理によるCO2等の吸収量をカーボンクレジット※3として国が認証する制度(https://japancredit.go.jp/about/outline/)
※3 カーボンクレジット:CO2などの温室効果ガスの削減効果(削減量、吸収量)の排出権 - ※2J-クレジット上のベースコンクリート
(普通コンクリート×0.8+高炉B種コンクリート×0.2)