環境配慮コンクリートを用いた護岸ブロックを現場導入

2023年7月19日

材料製造過程で生じるCO2排出量を大幅に削減し、従来品と同等以上の性能を保持

 当社は、環境配慮コンクリート「T-eConcrete®※1」のうちセメントを全く使用しない「T-eConcrete/セメント・ゼロ型」を護岸ブロックに適用し、この度、R3神宮橋架替潮来側橋梁下部他工事における法覆護岸工に導入しました。

 当社では、建設分野におけるCO2排出量の大幅削減を目的として、従来のコンクリートに替わる新しい材料や施工法の開発、改善に取り組んできました。
2014年に開発した環境配慮コンクリート「T-eConcrete」は、普通セメント(ポルトランドセメント)の代わりに産業副産物の高炉スラグ※2やフライアッシュ※3などを混合したコンクリートで、材料の製造過程で発生するCO2排出量を大幅に削減しながら、従来品と同等以上の性能を有しています。また、製鋼から生じる産業副産物である高炉スラグを大量に使用することから、資源の有効利用にも貢献します。

T-eConcrete®を使用した法覆護岸ブロック
T-eConcrete®を使用した法覆護岸ブロック
T-eConcrete®を使用した法覆護岸ブロックの数

T-eConcrete/セメントゼロ型の特徴

①コンクリート材料製造時のCO2排出量を大幅に削減

本ブロックは、従来のブロックと比較してコンクリート材料製造時のCO2排出量を約3割以下に削減しており、本工事全体では約1トンのCO2排出量削減を達成しています。

②従来と同様の製造・施工方法により同等以上の性能を実現

本ブロックは、従来のブロックと同様の方法で製作および施工が可能で、ブロック自体の強度・耐荷性・耐久性は従来と同等以上の性能を有しています。

③(産業副産物である)高炉スラグの大量使用により資源を有効活用

本ブロックは、高炉スラグを大量に使用(本工事に使用した「T-eConcrete/セメント・ゼロ型」では、1m3あたり300kg超の高炉スラグを使用)しており、資源の有効利用に貢献します。

今後、当社は、環境配慮コンクリート「T-eConcrete」をカーボンニュートラルの実現に向けて有効な環境対策技術の一つとして、コンクリート二次製品に積極的に採用することにより、CO2排出量の削減と産業副産物の有効利用を推進し、低炭素社会と循環型社会の構築に貢献してまいります。

関連情報

※1 環境配慮コンクリート「T-eConcrete®」
産業副産物を利用し、材料製造に由来するCO2排出量を最大で 80%以上削減できるコンクリート。①ポルトランドセメントを全く使わないセメント・ゼロ型、②フライアッシュ活用型、③建築基準法対応型、④Carbon-Recycleがある。「T-eConcrete/Carbon-Recycle」は「セメント・ゼロ型」に廃棄物に含まれるCO2を吸収・固定した炭酸カルシウムを加えることによりCO2排出量をマイナスにするカーボンネガティブを実現する。これまでにレディーミクストコンクリート(生コン)や天然石材調建材 T-razzo®などに適用すると供に、更なる普及・展開に向け、「T-eConcrete 研究会」を設立している。
CO2排出80%減、「環境配慮コンクリート」を実施適用
CO2排出量を削減し、低コストで意匠性に優れた天然石材調建材「T-razzo」を開発
環境配慮コンクリート「T-eConcrete®」の普及展開に向け研究会を設立

※2 高炉スラグ
高炉(溶鉱炉)で銑鉄と同時に生成される産業副産物。ここでは水によって急冷し、乾燥・粉砕した高炉スラグ微粉末。

※3 フライアッシュ
石炭火力発電所で微粉炭の燃焼により発生する石炭灰のうち、集塵器で採取された灰。

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