環境配慮コンクリートを坑内の安全通路に初適用しました

2024年1月22日

環境配慮コンクリートを高速道路トンネル坑内の安全通路に初適用

-プレキャスト部材施工の適用により作業効率を向上-

当社は、環境配慮コンクリート「T-eConcrete® ※1 」のうち、セメントを全く使用しない「T-eConcrete/セメント・ゼロ型」を用いて製作したコンクリート床版500基 ( コンクリート使用量約50m3 ) を、東海北陸自動車道(4車線化)城端トンネル工事 ※2 の坑内安全通路整備工に適用しました。

当社が開発した「T-eConcrete」は、コンクリート部材の製造時に普通セメントの代わりに、銑鉄と同時に生成される産業副産物の高炉スラグ ※3 や石炭火力発電所での微粉炭燃焼で発生する石炭灰を集塵したフライアッシュ ※4 を混合することで、コンクリートの製造に関連して排出されるCO2の大幅な削減を実現しつつ、従来と同等以上の性能を有する環境に配慮したコンクリートです。これまでに4種類 ( ①建築基準法対応型、 ②フライアッシュ活用型、 ③セメント・ゼロ型、 ④Carbon-Recycle ) をラインアップし、目的・用途に応じて使用することができます。

本工事におけるT-eConcrete/セメント・ゼロ型の特徴

  1. 1コンクリート材料製造時のCO2排出量を大幅に削減

    T-eConcrete/セメント・ゼロ型は、従来のコンクリートと比較してコンクリート材料製造時のCO2排出量を7割以上削減しており、従来のコンクリートで製作するコンクリート床版に比べてCO2排出量を約12t削減しています。

  2. 2プレキャスト部材を用いた施工方法の採用により、施工効率を向上

    当初、対象となった安全通路の路面は、現場打ちのコンクリートで施工する予定でした。今回、工場で製作した「T-eConcrete/セメント・ゼロ型」を用いたコンクリート製床版部材を現場で敷設するだけの施工方法に変更したことで、型枠製作やコンクリートの打込み・養生等の作業が不要となり、施工効率が大幅に向上しました。

  3. 3産業副産物である高炉スラグの大量使用により資源を有効活用

    T-eConcrete/セメント・ゼロ型は、1m3あたり300kgを超える高炉スラグを使用しており、資源の有効利用に貢献します。

今後、当社は、環境配慮コンクリート「T-eConcrete」をカーボンニュートラルの実現に向けた有効な環境対策技術の一つとして、コンクリート二次製品に積極的に採用することにより、CO2排出量の削減と産業副産物の有効利用を推進し、低炭素社会と循環型社会の構築に貢献してまいります。

T-eConcrete®を使用したコンクリート床版 設置状況

T-eConcrete®を使用したコンクリート床版 設置状況 ①
T-eConcrete®を使用したコンクリート床版 設置状況 ②
  1. ※1参考資料:
    大成建設HP > 地図に残る仕事。® > 技あり > 技術解説 > 使えば使うほど二酸化炭素を削減!新たな未来をつくるカーボンリサイクル・コンクリートの秘密
    https://www.taisei.co.jp/portal/tech/commentary/02.html
  2. ※2東海北陸自動車道 ( 4車線化 ) 城端トンネル工事
    発注者 中日本高速道路株式会社 金沢支社
    本記事対象工事の施工期間 2023.11.01~2027.08.31
  3. ※3高炉スラグ:
    高炉 ( 溶鉱炉 ) で銑鉄と同時に生成される産業副産物。ここでは水によって急冷し、乾燥・粉砕した高炉スラグ微粉末。
  4. ※4フライアッシュ:
    石炭火力発電所で微粉炭の燃焼により発生する石炭灰のうち、集塵器で採取された灰。

本ウェブサイトでは、お客様の利便性の向上及びサービスの品質維持・向上を目的として、クッキーを使用しています。
本ウェブサイトの閲覧を続行した場合は、クッキーの使用に同意したものとします。詳細につきましては、本ウェブサイトのクッキーポリシーをご確認ください。