技術
国土交通省建設分野の技術開発課題に採択
-コンクリート練混ぜ時にCO2を噴霧し固定させる技術 「T-Carbon Mixing®」-
2024年7月8日
当社が技術開発を進めるコンクリート練混ぜ時にCO2を噴霧し固定させる技術「T-Carbon Mixing®※1」が、国土交通省が公募するSBIR制度で実施される技術開発課題※2に採択されました。
当社では、建設分野におけるCO2排出量の大幅削減を目的として、従来のコンクリートに替わる「T-eConcrete※3」の開発・適用に加え、コンクリート製造工程の練混ぜ時にCO2を直接噴霧して、コンクリート内部にCO2を固定させる技術「T-Carbon Mixing®」を開発しています。
「T-Carbon Mixing®」は、コンクリート製造時の練混ぜ方法を工夫することでCO2をコンクリートに直接噴霧して、コンクリートのアルカリ性を保持しながらCO2を固定させる技術です。既存のコンクリート製造プラントにCO2噴霧装置を設置し、製造工程を工夫することで、鉄筋コンクリート構造物にも使用可能なCO2を固定したコンクリートが製造できるため、幅広く普及させることで一層のCO2排出量の削減が期待できます。
これまで、試験室用ミキサによる検証を続けてきましたが、SBIR制度では技術開発の実用化を促進させることを目的として、コンクリート二次製品工場における実機での、CO2噴霧コンクリートの製造方法やシステムの確立および、製造されたコンクリートの性能とCO2噴霧の影響が無いことの検証などを行います。
実用化に向けた研究開発の概要
1. 実用化レベルの「T-Carbon Mixing®」製造方法及びシステムの確立
大型装置による製造方法の検討を通じ、従来の普通コンクリートと同等の製造方法で製造するシステムの確立とCO2固定量を確認します。
2. コンクリートの性能とCO2噴霧の影響が無いことの検証
製造方法の検討を通じて、従来の普通コンクリートと同等の物性があることを確認します。

今後、当社は、本技術開発の結果にもとづいてコンクリート製造プラントなどに本技術を導入し、コンクリート製造工程におけるCO2排出量の更なる削減を目指してまいります。
関連情報
※1 T-Carbon Mixing:大成建設HP>NEWS>ニュース 2022年度>技術解説>コンクリート練混ぜ時にCO2を噴霧し固定させる技術「T-Carbon Mixing」を開発
https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2023/230116_9230.html
※2 SBIR制度で実施される技術開発課題:国土交通省HP>報道・広報>報道発表資料:SBIR建設技術研究開発助成制度の採択課題の決定
https://www.mlit.go.jp/report/press/kanbo08_hh_001110.html
※3 参考資料:大成建設HP>地図に残る仕事。®>技あり>技術解説>使えば使うほど二酸化炭素を削減!新たな未来をつくるカーボンリサイクル・コンクリートの秘密
https://www.taisei.co.jp/portal/tech/commentary/02.html