TASMO(制振)/ TOLABIS(免震)
1.特徴
歴史上数々の地震から倒壊を免れた五重塔心柱に着想を得て、連層の壁柱を活かした架構システムを開発しました。 柱と同厚とした壁柱架構に、大地震後に交換可能な制振部材を配置する制振タイプのTASMOと、免震構造と組合せた免震タイプのTOLABISの2種類があります。旧来の耐震設計のように大地震時に柱梁の損傷をやむを得ず許容することを前提とせず、建物本体以外で地震エネルギーを吸収させ、損傷を最小限に抑えます。
①TASMO(制振)
TAisei Smart MOnitoring system
壁柱の脚部を半剛接合支持※とし、それらをつなぐ境界梁に、低降伏点鋼材を用いた靱性に富む鉄骨制振梁を用いた架構システムです。
大地震の入力エネルギーを制振梁で集中的に吸収させ、必要な剛性を確保しつつ、建物本体の損傷を最小化します。
無理に壁柱脚部を剛接合支持として固定すると地震水平力が集中して破壊を招きますが、壁柱脚部に回転性能を付与することで構造性能を画期的に向上させます。
②TOLABIS(免震)
Taisei Outer pLAte column Building system with Isolation Story
建物外周に配置した壁柱の境界梁を鉄筋コンクリート梁とし、高い剛性を有する上部構造と免震構造を組み合わせた架構システムです。
大地震の入力エネルギーを免震構造で集中的に吸収させ、建物本体の損傷を最小化する免震構造システムです。
2.メリット
建物内部に柱型のない広々とした自由度の高い空間を創出
制振、免震構造の利点を生かして薄い壁柱を採用し、柱型の出ない内部空間の実現により、整形で広く、レンタブル比の高いプランを実現することができます。また、壁柱は外装を兼ねており、熱負荷低減のみならず、コスト低減にもつながっているのはTASMO(制振)と同様です。フラットスラブやロングスパンによる、広い空間建築が可能で、設備システムの変更や更新も容易になるためフレキシビリティが高く、使い勝手のよい建物が計画できます。
縦連層の美しい外装デザインを実現する
壁柱に対して梁を室内側に偏心させて接合することで、壁柱とサッシュを一体化して室内の有効スペースを広げるとともに、高さ方向に連続した美しい縦連層の外装デザインを実現することができます。また、コストという点では、純鉄骨造の架構に比べて、概ね5~10%程度低減することが可能です。壁柱とサッシュを一体化して室内の有効スペースを広げるとともに、高さ方向に連続した美しい縦連層の外装デザインを実現することが可能です。