土壌浄化技術(重金属)

重金属
重金属とは一般的に密度4g/cm2以上の金属を指しますが、「土壌汚染対策法」でいう重金属等にはほう素、ふっ素、砒素、セレンのような非金属やシアンのような化合物も含まれています。重金属等は、揮発性有機化合物と比べ、一般に土壌中を移動しにくく、常温では揮発しにくい特徴があります。また、土壌・地下水環境中のpH、酸化還元電位、他の物質の存在などにより、イオン、化合物、錯体等様々な形態で存在します。そのため土壌汚染対策法では、「直接摂取によるリスク」と「地下水等の摂取によるリスク」の2種類の観点から「土壌溶出量規準」、「土壌含有量規準」が定められています。重金属は自然界にもともと存在するものであるため、自然由来により土壌・地下水からしばしば検出されます。また、一般に体内に蓄積する傾向があり、生物に対し毒性の強いものが多く、工場の産業廃棄物などから排出される重金属が、しばしば地下水や土壌などの環境中に浸出して汚染を引き起こす原因になっています。

注水バイオスパージング(シアン)
活性助剤を投入することによって短期間にシアンを浄化することを可能にした工法です。
油汚染土壌の浄化に用いられてきた当社独自の注水バイオスパージング工法を応用し、活性助剤の投入によりシアンを短期間で浄化することを実現しました。
対象 | シアン汚染土壌 |
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工法 | 微生物の活性環境を高めてシアンを分解浄化する工法(原位置) |
特徴 | 微生物によりシアンの分解浄化が可能 土着微生物を用いるため二次汚染がない 活性助剤により分解速度が向上 |


土壌洗浄法(シアン)
これまで困難だったシアンの浄化を一度に洗浄で行うことを可能にし、コストの約3割低減と工期の短縮を実現しました。
従来の土壌洗浄法において、特殊な薬剤を投入することによって、これまで困難だったシアンの浄化を一度の洗浄で行うことを可能にし、コストの約3割低減と工期の短縮を実現しました。
- ※東邦ガス株式会社と特許共同出願済
対象 | シアン汚染土壌 |
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工法 | 分級と洗浄による浄化工法 |
特徴 | 添加剤によりシアンを効率的に洗浄処理 従来法に比べ低コスト・低環境負荷 |
工法全体のモデル図および実績は土壌洗浄法をご覧ください。

土壌浄化法
分級と洗浄により浄化する技術です。掘削した汚染土壌を水で洗浄し汚染物質を土粒子から分離します。
掘削した汚染土壌を水で洗浄し汚染物質を土粒子から分離します。分離した汚染物質は、粘土分などの微細粒子に吸着される部分と水に移行する部分とに分かれます。微細粒子に吸着される部分は分級操作により粒子ごとに選別回収し場外処分します。分級洗浄により、場外処分量を低減し、無害化した土はリサイクル土として場内に埋め戻しが可能です。
対象 | 重金属・石油汚染 |
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工法 | 分級と洗浄による浄化工法 |
特徴 | 場外処分量を低減し処理コストを低減 無害化した土はリサイクル土として場内に埋め戻しが可能 比較的短期間で浄化が可能 重質油系石油汚染土壌の浄化にも対応可能 |

施工実績

固化・不溶化
各種重金属に適した薬剤やセメント等を混合し有害重金属等を科学的に溶出しにくい性状(安定・無害化)にする技術です。
溶出を低減する対策です。各種重金属に適した薬剤やセメント等を混合し有害重金属等を化学的に溶出しにくい性状(安定・無害化)にする技術です。
対象 | 各種重金属汚染 |
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工法 | 各種重金属汚染土に適した薬剤やセメント等を混合し有害重金属等を化学的に安定・無害化する工法 |
特徴 | 薬剤やセメント等により、重金属等が土壌から溶出するのを低減 施工が比較的安価 |

加熱浄化
特殊添加剤により効率的に汚染物質を加熱分離し、土壌を無害化する技術です。
特殊添加剤により効率的に汚染物質を加熱分離し、土壌を無害化する技術です。特に水銀による汚染土壌の浄化に有効な技術です。
対象 | 各種重金属汚染 |
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工法 | 独自の添加剤により効率的に汚染物質を加熱分離し、土壌を無害化する工法 |
特徴 | 特殊添加剤により効率的に浄化 比較的短期間で浄化が可能 廃蛍光管処理システムへの応用実績多数 |
システム概念図
