HACCPに準拠した機能を持つ新工場を建設したい。

伝統の味を守り続けていくために。
お困りごと
勝どきにある現工場が老朽化している、同一敷地内で建物の増改築を行ったので、動線が非効率であり再構築が必要。船橋市内に用意した新しい敷地に、HACCPに
準拠した機能を持つ工場を建設したい。
成功事例
「カステラ一番、電話は二番、三時のおやつは文明堂」というCMをご存知の方は多いと思います。
今回のプロジェクトは、伝統ある文明堂製菓株式会社様の新工場建設でした。
「シンプルで奥深い工場を目指して」をコンセプトに「クロスコンタミネーションの防止」「動線の効率化」「防虫、防鼠対策」に配慮し、かつ老舗メーカーにふさわしい工場を提案させていただきました。 数社によるコンペの結果、お客様のご要望により近い提案ということで当社に発注していただきました。

ソリューション
お客様の立場にたった製造環境の構築
- 製造エリアは、清潔度区分によるゾーニングとしました。カステラだけでなく多種の製品を製造するため従業員の方にわかりやすく動線が効率的で最短になるように計画
- ゾーニング計画による床のカラー計画は、清潔度を明確にすることが目的ですが、文明堂製菓様の場合、カステラの焼き色を職人の方が確認しながら作業を行えるよう、焼き色に配慮して床材色を選定
更に、床材色をもとに壁・照明をトータルで計画

- 製飴室など砂糖を含んだ熱水が流れる床には、耐熱と蟻酸対策のため全溶接ステンレス床を採用

- 防虫・防鼠の対策のため開口部をなくした製造室は、直接空調空気を当てることをさけつつ、従業員の方の作業環境を快適に保つためにスポット空調を設置
- 外気取入れ部には気密型防虫フィルター「T-Pest Guard」設置
- 清掃しやすいホコリ溜りのない施設を実現
外観デザイン
- カステラは卵・砂糖・小麦粉・水飴というシンプルな素材から奥深い技術を使って伝統の味を作り出しています。工場もコンクリート、スチール、ガラス、アルミという建築の素材感を素直に表現し、シンプルでありながら品格のある建物を実現
- 海が近いということもあり、塩害対策に考慮した材料を採用


お客様の声
大成建設担当者より

設計本部 建築グループ 橋爪 宏直
プレゼンテーション段階から竣工までトータルで担当させていただきましたので、工場の使い勝手やメンテナンスの行い
やすさ、外観のことを含めて計画を行うことができました。
決められた条件の中で、社長様がどういう工場を望まれているのか、社員の方がどのような使い勝手を求められているのか、要望を具現化することに注力しました。
住宅を設計するように使われる方一人一人の思いを込めて、細かなところまで考慮して設計を進めました。
皆さんが期待するイメージと実際に完成した新工場の使い勝手にギャップが生じないように、図面と模型、パースを
使って、現工場と新しい工場との違いを逐一説明していきました。皆さんとのコミュニケーションの成果が、この工場に
反映されていると思います。
外観に関しては、壁面は白を基調に、アルミとコンクリートの素材感だけで表現し、清潔感と上品さという文明堂製菓
株式会社様のイメージを体現できるようにデザインしました。
工場のもっている機能とデザインが融合できたと考えています。
工事概要
発注者 | 文明堂製菓株式会社 |
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所在地 | 千葉県船橋市高瀬町12-1,2 |
竣工 | 2008年8月 |
延面積 | 3,344m2 |
URL |
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文明堂製菓株式会社
取締役 生居 雅和 様
今回のプロジェクトは大成建設さんが設計提案コンペに当選されて以降、設計本部の方々にはきめ細かくご配慮いただき、施工の方々も心をこめて建設していただき大変感謝しております。お陰をもちまして生産の方も順調です。食品工場の建設実績が多くノウハウも蓄積されており、大成建設さんに建設を依頼して本当に良かったと思っております。