既存の工場を稼動させながら、最新鋭の工場を建設
お困りごと
現工場の敷地内に伊豆縦貫道建設が決まり、工場操業に影響が出る。既存の工場は築35年ほどでかなり老朽化している。これを機会に、より安心・安全を確保した高品質・高生産性の最新鋭の工場にしたい。
成功事例
既存の工場は平屋建だが、新工場は現状より狭い敷地に建設することになります。お客様とのミーティングを重ね6階建てに決定しました。また、生産効率を考え縦方向（上階⇒下階）に生産ラインを設定することに決定しました。全ての原材料はいったん最上階に上げるため、構造的にかなりの重量に耐えうる設計となりました。
また既存の工場を稼動しながら新工場を建設するので、電力の供給や配管など生産設備の取り合いの調整等、既存の工場に影響を与えないように施工が行われました。
ソリューション
- 総合衛生管理製造過程認証取得対応はもちろんのこと、冨士乳業様独自の衛生環境管理基準に則った仕様により、高度な衛生環境を実現。
- 一般作業区域・準清潔作業区域・清潔作業区域の徹底したゾーニングによる衛生区画化。
- 上記各作業区域内の気圧管理により、工場内の空気の流れをコントロール。防虫・防塵対策に大きな効果を発揮。
- 排水、床の勾配等に配慮し、ドライフロアー化を実現。
- 包装資材用のパスボックス設置など、クロスコンタミネーション（交差汚染）の防止対策を徹底。
- タンク・配管・充填機の殺菌を蒸気・次亜塩素酸水殺菌に替わり、湯温殺菌化。
- 製品段ボールは、-18℃の環境下でロボットパレタイズ（製品段ボールをパレットに、自動積み付け）。1台のロボットで2ラインを受け持ち、1ライン最大800個／時の能力。
- 製品の格納効率を上げるため、-30℃の製品倉庫にフローラック式自動倉庫（格納数1550ラック）を採用。
- 客先範囲である新規・移設生産機器の搬入据付工程と建築工程の綿密な調整。
お客様の声
大成建設担当者より
大成建設 冨士乳業新製造棟工事 作業所長 西澤 康彦
既存工場を稼動させながらの建設工事であったため、お客様には多大なる御協力を頂き、無事に無事故
（安全時間約40万時間）にてお引渡しすることができました。
生産系エンジニアリング会社の皆さんの協力も頂き、最新鋭のアイスクリーム工場が完成いたしました。
大成建設 設計本部 建築グループ 福西 裕智
お客様とのミーティングを重ね、ご要望に応えるために数々の設計・施工上の提案を行いました。
決められたボリュームの中に最新の技術と設備を投影し、さらに従業員にも優しく、高い生産効率を可能にする工場にできたのではないでしょうか。
大成建設 建築営業本部 阿部 雅人
三島は水が大変おいしいところです。2階の食堂の窓は当初の予定から大きさや位置を大幅に変え、富士山がよく見えるようにしました。『人がいきいきとする環境』づくりが出来たと思います。
きっかけは伊豆縦貫道建設という背景がありましたが、近隣対策や開発申請等、長い期間に渡りお付き合いさせていただき、お客様のニーズにあった最新鋭の工場にすることができました。
大成建設 エンジニアリング本部 佃 修
限られた冷凍エリアの中に物流機器（ロボットパレタイザ・フローラック等）を配置しました。図面上で見ると余裕がなく感じられ、運用出来るか不安でしたが、出来てみるとスペースを最大限に利用し、無駄がない印象になりました。客先の要望に応えられ良かったです。工事中はお客様よりアイスの差し入れもあり、おいしく頂きました。
工事概要
| 発注者 | 冨士乳業株式会社 三島工場 |
|---|---|
| 所在地 | 静岡県 |
| 竣工 | 2005年3月 |
| 延面積 | 19,000㎡ |
- ※本コンテンツに記載された情報（役職、数値、固有名詞等）は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。
冨士乳業株式会社 代表取締役専務 有井 英幸 様
冨士乳業にとって長年の夢であった最新鋭のアイスクリーム工場を目指して、旧工場を動かしつつ準備を進める難しい工事に取り組んでいただき、お陰様で無事予定通り稼動を開始することができたことに深く感謝しております。今後は器に魂を込めて名実ともに新生冨士乳業に生まれ変わります。