周辺環境へ配慮し、従業員が働きがいのある
新工場の建設

お困りごと
新商品開発に伴い、フレキシビリティーを持ち且つ、拡張性に優れた新工場を建設したい。また周辺の住宅環境に配慮し、従業員が働き甲斐を感じることができる工場にしたい。
成功事例
お客様が希望されていました周辺の住宅環境への配慮を、建物の外壁を木質にし温かみのあるデザインにすることで表現しました。また、この木質性の外壁は、排水処理施設などの設備機器類を包み込むと共に、高層部の建物(19m)の圧迫感を緩和させる役割も兼ね備えています。
歩行者と車両の分離を図るために、従業員のエントランスは2階としていますが、ここにアプローチする階段は、木質外壁の横を通る構造になっており、温かみと落ち着きのある雰囲気を醸し出しています。
もちろんHACCPシステムの承認工場であることから、最高水準の製造環境を実現しています。
将来的な増築も視野に入れ、建物の内外に渡り十分なフレキシビリティを与えることができる施設となっています。

ソリューション
1.最高水準の製造環境を実現 ⇒ 5つのキーワードの具現化
- 交差汚染(クロスコンタミネーション)を防止する
- 清浄・清掃性が良い
- ほこり溜まりが少ない
- 微生物が繁殖しにくい
- 異物進入を防止する
キーワード実現のための具体的事項
- 徹底したゾーニングを実施し、各室の用途ごとに管理清浄度を規定。
- 室圧コントロールによる異物侵入防止。
- 交差汚染のない綿密な動線計画。
2.周辺環境への配慮
低層部の外壁に木材を使用することで温かみを出した。外壁への使用にとって、耐久性がポイントとなるため、硬質で防腐・防虫性能に優れた材料を選定すると共に、変色防止のため、長期耐用性のあるクリアー塗装を採用。
3.従業員にとって快適な空間を提供
人と車両の分離を図ることで従業員の安全を確保するため、エントランスは2階とした。



大成建設 設計本部 岩間 仁
お客様からは、隣接する既存工場との統一感からアイスクリームの「白色」とアクセントで「茶色」を外観に使って欲しいという要望がありました。「茶色」の積極的活用として、肌触りや質感、やわらかい雰囲気を出すことを目的に、自然素材である「木」を低層部に使うこととしました。
また前面道路から見た施設の中央に配置したメイン階段では、木壁の頂部を階段の目的地とすることで、従業員の方が日常的に「主役」となれる空間を創造してみました。
お客様とのお付合いは10年ほどになりますが、全面的にデザインをお任せいただき、高水準の生産機能を持ちながら、私の提案するイメージに近い形にできたことは大きな喜びです。
工事概要
発注者 | タカナシ乳業株式会社 |
---|---|
所在地 | 群馬県 |
竣工 | 2005年10月 |
延面積 | 8,000.77㎡ |
URL |
- ※本コンテンツに記載された情報(役職、数値、固有名詞等)は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。
タカナシ乳業株式会社 取締役 横田 滋 様
住宅地にある工場ということから、将来に渡って周辺の方々に親しみを持っていただき、在って欲しいと思っていただける工場を作らねばならないと考えていました。
特に困ったのは排水処理施設であり、臭気対策でした。工場正面にこれらの施設を設けることになり、これを如何に周辺環境と調和させるかが課題となりました。
食品工場としては掟破りの「木」を使うという提案を頂き初めは驚きましたが、防虫、耐光性に優れた材質とすることでこれを解消致しました。
大変すばらしい工場を作って頂き、大成建設には感謝致しておりますと共に満足致しております。