光製薬株式会社

小容量バッグ製剤製造設備の新工場を建設したい。

光製薬株式会社

高レベルな無菌環境を備えたい。

お困りごと

小容量バッグ製剤(主にキット化された治療薬)の自社製品および受託製品の生産力アップを図るため、新工場を建設し、高品質なバッグ製剤を安定かつ効率的に生産する体制を構築したい。
「高レベルな無菌環境を備えた小容量バッグ製剤製造設備」であることを前提に、どのようなプランニングが考えられるだろうか。

成功事例

埼玉県東北部にある加須市に拠点を構える光製薬株式会社様。
1941年の創業以来、注射剤(無菌製剤)の専門メーカーとして、高品質で信頼性の高い医療用医薬品の研究開発・製造・販売を通じて全国の医療機関のニーズに応え、人々の健やかな未来社会づくりに貢献されています。
中でも主要品目である輸液剤は、基礎医療において重要な役割を果たすものとして、医療機関をはじめ各方面から高く評価されています。

新工場外観 東側全景
新工場外観 東側全景
製品紹介
製品紹介

資材の搬入、秤量、液調、充填、滅菌、包装まで一貫して行う生産体制を整え、今後さらに該当製剤の自社製品および受託製品の生産を強化するため、新たに栗橋第二工場が2012年6月に大成建設の製造設備および建物の設計・施工(トータルエンジニアリング)で完成しました。

光製薬株式会社  取締役 生産本部長 青柳様

光製薬株式会社  取締役 生産本部長 青柳 勝 様

今回のプロジェクトでは、「高レベルの無菌環境を備えた工場」「省力化・生産効率の向上」「フレキシビリティ(顧客対応)」「エコロジー(特に排出CO2削減)」など当社から提示したコンセプトに基づいて、数社に新工場のプランを提案していただきました。
大成建設の提案内容は、業界トップの実績に裏付けられた知見と技術力を駆使して計画されたプランニングでした。医薬品製造施設づくりに対する考え方や、製造設備を熟知しているからこそ実現できる高レベルな提案を評価しました。
コンペの結果、提案内容の評価はもとより、「大成建設は、どこよりも早く医薬品製造施設づくりに携わってきたパイオニアとして、業界を牽引するだけの総合力がある。安心して任せられる。」と思い、お願いすることとしました。

ソリューション

新工場の構成としては、1階に入出荷エリア、原料・資材保管室、1次更衣室を配置し、2階に製造エリアと包装エリアを集約し、3階は将来の拡張スペースとして未実装エリアとしました。高レベルな無菌環境を備えた工場建設を実現するため、様々な工夫が施されています。

工場レイアウト 平面図
工場レイアウト 平面図

高レベルな無菌製造環境を実現

  • 各製造室は工程ごとに合理性を重視した清浄度に区分し、クリーンルーム(グレードA,B,C,D)とその他を3段階、つまり7段階のグレードに分けて清浄度管理を徹底しています。例えば、各製造室のグレードによって個別に2次更衣室を設け、クリーンルームへの入退室は入室時と退出時を別ルートにしました。さらに、気流はクリーンルームより廊下側に流れるよう、差圧の逆転が起きないように、適所にエアーロックの部屋が設けられています。
  • クリーンルームの除染方法には「過酸化水素ガス除染システム」を採用しました。過酸化水素は毒性が低く、最終的に水と酸素に分解されるため殆ど残留がなく短時間でクリーンルームの立ち上げが可能です。過酸化水素による腐食を防止するため、建材や機器の材質には耐食性の高いものを採用しました。

「汚染防止」、「省力化・生産効率アップ」を両立するゾーニング

  • 工場内で人・物がスムーズに効率よく移動できる動線を確保し、なおかつ、互いの動線を分離することで、交差しないようにゾーニングを計画しました。
    物の動線は入荷から製造、出荷までワンウェイ動線を確保しています。
    また、製造工程は基本的に自動化され、省力化、生産効率アップを図っていますが、逆に一部の工程を手作業化することで、顧客要望(少量生産、生産計画の変更等)の対応をしています。
工場レイアウト 人の動線
工場レイアウト 人の動線
工場レイアウト 物の動線
工場レイアウト 物の動線
  • 各製造室や前室、パスルームは差圧管理することで気流をコントロールし、異物混入を防止し、清浄度管理をしています。また、防虫防鼠対策としては、工場の外壁まわりを1次防虫区画、製造エリアまわりを2次防虫区画とし、虫の侵入を徹底して防ぎます。

将来構想に対応

新工場の3階は、将来の拡張スペースとして未実装のまま確保し、実装工事をする際のことを考慮した建築・設備計画を行いました。今後の生産計画にあわせて柔軟に対応できる工場づくりを実現しており、実装工事の際には他の製造室に影響を与えることなくスムーズに行うことが可能です。

光製薬株式会社  取締役 生産本部長 青柳 勝 様

完成した新工場は、提案内容と相違することなく、ある意味では計画以上の評価ができるものでありました。新しい環境が構築され、社員のモチベーションが高まっているのを感じます。
新工場の2階は製造と包装エリアが集約されており、そのまわりを囲むように工程順に見られる見学者通路を設けています。これにより、新工場建設のコンセプトを当社のお客様に説明する時に、非常に分かり易いとの評価を受けています。

今後も、生産部門において、委託先等のお客様に積極的に営業活動ができる、大変強力なツールができたと思っています。

工事概要

発注者 光製薬株式会社
所在地 埼玉県加須市新利根1-8-1
竣工 2012年6月
延面積 4,170.8m2
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