1.収益性

直接外気冷房
国内の一般的なデータセンターのPUEは2.0程度と言われています。昨今の環境配慮・省エネ化の流れを受け、設備機器の省電力化に伴いPUE1.5~1.8程度のデータセンターも増えてきました。しかし、その電力消費の多くを占める空調をより一層省電力化させるためには外気を利用する方法があります。
サーバールームの排熱を空調機で冷やすのではなく、排熱は屋外に放出して冷涼な外気をサーバールームに取り込むことにより、空調エネルギーを削減します。また、粉塵などを除去し温湿度を調整することによって安定したサーバールーム環境を実現します。冷涼な気候の地域ではPUE1.1~1.2程度のデータセンターを実現することも可能です。

IT機器以外の消費電力を削減することにより
PUE値を下げることができます。

間接外気冷房
自然循環冷媒排熱システム
熱交換器を介して、サーバーラックの排熱を室外に放出する外気冷房方式です。
冷媒の比重差を利用した自然循環により低動力を実現した排熱システムです。自然循環による熱移動でコンプレッサー・ポンプ動力を用いずに冷却できます。 外気を直接取り込むのではなく、冷媒を介して間接的に外気の冷熱を利用できるため外気の湿度や粉塵に対して対策はいりません。

フリークーリング
冬期に冷凍機用冷却水の放熱用冷却塔から空調機へ直接冷水を供給します。
冷凍機を停止させることによりエネルギー効率を高めます。

ダクトキャッピング空調システム
高負荷対応空調
「コルエアダクト」によりサーバーラック上部から冷気を吹き出すモジュールを構成し、IT機器への給気効率を大幅に向上させます。
- ≪特長≫
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- 囲い込み(キャッピング)と空調ダクトの一体化により、空調効率が20%向上
- ダクトとキャッピング素材の兼用化により、ローコストを実現
- 天井吹出しと床吹出しを併用することにより、高密度サーバーに対応

エコプロダクツ大賞推進協議会会長賞受賞

環境にやさしい新材料 「コルエアダクト」

ダクトキャッピングに使用する「コルエアダクト」は、アルミニウム箔を施した段ボール製の不燃性ダクトで、環境負荷の低減になるほか、軽い素材のため運搬も容易で施工性も向上します。
- ※株式会社栗本鐵工所、レンゴー株式会社との共同研究開発品
シミュレーション技術
データセンターのようにミッションクリティカルでかつ要求仕様が急速に変化する施設には、多くの技術が投入されます。 より適正なデータセンターを設計するために、最新シミュレーションソフトや当社技術センターの実験設備を最大限活用していきます。
サーバルーム温熱シミュレーション
サーバルーム内で発生する熱の対流をシミュレーションで可視化し、空調設備の配置や空間設計などに反映させます。


耐震安全性の実証
大成建設技術センター構造実験棟3軸振動台により、過去に観測された大地震の前後、左右、上下の揺れを3次元的に再現し、構造物の耐震安全性を検証します。

データセンター・シミュレーション
VRを活用したデータセンター・シミュレーションは、データセンターの計画段階からデータセンター内部で起こる様々な現象をリアルスケールで確認できる技術です。
大手建設業界初のこの技術は、当社が保有するVR(バーチャル・リアリティ)の高度化技術であるHybridvision(ハイブリッドビジョン)を用いています
![[Hybridvisionシステム]](/solution/assets_cms/img/datacenter_architecture_p_r07.jpg)
- バーチャル・リアリティ (VR=Virtual Reality)
- 3次元のリアルな空間をコンピューター内部に構築し、その空間の中に人が没入して映像や音響をリアルタイムで体感できる技術です。
空調シミュレーション
- サイエンス・エンジニアリング
- データセンター内部における気流や温熱に関するシミュレーション結果を、VRにより正確に再現された仮想空間のデータセンターと融合表示できます。
- リアルスケール・バーチャル・リアリティ
- 大成建設のVRでは、シミュレーション結果をリアルスケールで確認できます。サーバーラックや空調機等の主要機器もリアルスケールで再現できるので、完成後のデータセンターのイメージを事前に確認できます。
- エンジニア・ノウハウ
- 大成建設は、豊富なデータセンターの設計・施工実績があります。お客様と共に経験豊かな当社エンジニアがシミュレーション結果の分析を行い、データセンターの熱問題について検討を進めます。
- フィードバック・シミュレーション
- 検討結果を新たな条件として、繰り返しシミュレーションを行いながら、データセンターの熱問題に対する最適解を考えていきます。


免震シミュレーション
![[非免震・免震の揺れ比較]](/solution/assets_cms/img/datacenter_architecture_p_l09.jpg)
耐震構造(非免震)、並びに免震構造のデータセンターモデルに対し、過去の地震波や想定される設計用の地震波を用いてシミュレーションを行い、各々の揺れ具合をVR上に比較表示し、免震効果を明確に把握できます。また、3次元床免震システムの免震効果の確認も可能です。
非免震・免震の揺れ比較
天井レスサーバールーム
天井材などによる気流の抵抗が少なくなることにより空調効率を向上させます。また、空調停止時の熱だまりを大きくとることができます。さらに、天井が無いことにより、建設コストの削減につながります。

クールピット
ピット内の冷涼な外気を利用し、空調負荷を低減させることにより空調効率を向上させます。大きな設備投資無しにランニングコストを削減できる技術です。
