ほくでん情報テクノロジー株式会社

既存データセンターの未実装フロアを、
新たに設備を実装して運用開始したい。
H-IXデータセンター

ほくでん情報テクノロジー株式会社様 H-IXデータセンター

お困りごと

BCP(事業継続)や災害対策の一環としてデータセンター利用を計画する企業が増えており、既存データセンターの未実装フロアの設備を実装して多くのニーズに応えたい。
「省エネ・CO2削減」「IT機器冷却効率アップ」などを最適化する提案をしてほしい。

成功事例

北海道電力グループのほくでん情報テクノロジー株式会社様は、2001年から札幌市内でデータセンター事業を開始し、「H-IX(北海道インターネット・エクスチェンジ)データセンター」を運用されています。
H-IXデータセンターでは、すでに実装された1階のサーバルームを中心に事業を展開されていますが、近年のBCPや災害対策への関心の高まりから、データセンターを利用する企業が増えていることを背景に、未実装の2階をデータセンター化することを検討されていました。

H-IXグリーンフロア
H-IXグリーンフロア

大成建設は「既存建物の特徴(構造や形状など)を最大限に活かし、ほくでん情報テクノロジー様のご要望に応えるためにはどうすべきか?」という視点で様々なソリューションを検討しました。
その結果、冷涼な外気を間接的に利用する「間接外気冷房システム」を導入し、サーバルームの空調効率を高めるレイアウトを採用することをご提案。それぞれのソリューションが組み合わさり相乗効果をもたらすことで、完成した新フロアでは

  • 年間総合40%以上のCO2削減
  • 年間平均でPUE※1.4以下

などの効果を見込め、ランニングコストの抑制にもつながります。

  • PUE(Power Usage Effectiveness)とは、データセンターのエネルギー効率をあらわす指標の1つ。値が1.0に近づくほど効率がよく、一般的に値が2.0を切ると効率がよいとされる。

ソリューション

冷涼な外気を活用!粉塵などの心配いらず!「間接外気冷房システム」を導入

札幌の冷涼な気候を活用するため「間接外気冷房システム」を導入しました。
間接外気冷房システムは、外気を直接取り込むのではなく、冷媒を介して間接的に外気の冷熱を利用できるため、サーバルームの湿度や粉塵の影響を心配する必要がありません。

間接外気冷房システムと連携する空調機には、外気温度が低い場合は冷却効率が向上する「高効率型空調機」を採用しました。(※一般的な空調機は、外気温度が20℃以下では冷却効率が一定になってしまいます)

間接外気冷房システム・高効率型空調機
間接外気冷房システム・高効率型空調機

冷媒の比重差を利用した自然循環による熱移動でコンプレッサー動力を用いずに冷却できる間接外気冷房システムと高効率型空調機の組み合わせにより、CO2排出量を年間で約20%カットする見込みです。

ほくでん情報テクノロジー株式会社 データセンター事業部 ソリューショングループ 副課長 佐川 泰久 様

ほくでん情報テクノロジー株式会社 データセンター事業部 ソリューショングループ 副課長 佐川 泰久 様

札幌市は、年間平均気温が約8.9℃(東京16.3℃)と冷涼な気候です。当初は、直接外気を取り込んでサーバを冷却することを考えていましたが、サーバを預けるお客様の中には、粉塵や塩害などを気になさる方が多くいらっしゃいました。 大成建設が提案した「間接外気冷房システム」は、私たちの懸念を払拭する斬新なシステムで、省エネ効果も期待できる内容であり、発注を決めたポイントの一つです。

気流を設計して、冷却・排熱効率をアップ!

「コールドアイルキャッピング」を採用─CO2排出量15%カット
コールドアイル(冷気の通り道)と、ホットアイル(排熱による暖気の通り道)を区別して設け、コールドアイルを囲い込み(キャッピング)密閉することで、冷気と暖気の混合を回避しました。これにより、IT機器の吸気側に冷気を集中させIT機器を確実に冷却することができます。
天井レスフロアを実現─CO2排出量5%カット
サーバルームは天井材を設置せず、ラック上部に十分な空間を確保することで、ラック付近における熱溜まりの発生を防止し、暖気が効率的に空調機へ戻るよう設計しました。また、天井吸込口の配置に左右されない自由なラックレイアウトが可能となりました。
キャッピング内は、温度24℃以下、湿度50%±10%にコントロール
キャッピング内は、温度24℃以下、湿度50%±10%にコントロール
廃熱効率の高い気流設計
廃熱効率の高い気流設計

コールドアイルキャッピングと天井レスフロアにより空調効率アップを図り、CO2排出量を年間で約20%カットする見込みです。

ほくでん情報テクノロジー株式会社 データセンター事業部 ソリューショングループ 小川 基幸 様

既存建物ゆえの色々な制約がある中で、大成建設は建物の特徴を最大限に活用し、エアフロー(サーバラックやPC内部の空気の流れ)を最適化するフロアレイアウトを実現してくれました。新フロアを見学に訪れるお客様は週に2~3組いらっしゃいますが、「コールドアイルキャッピングなど、機能的につくられていて冷却効率が良く、安心できます。」などとご好評いただいています。

大成建設担当者より

大成建設 設計本部設備グループ 長 徹

大成建設 設計本部設備グループ 長 徹

既存のデータセンターを改修するニーズは高まっており、データセンターの立地や気候条件などによってソリューションの選択肢は様々です。今回のプロジェクトでは、外気の冷熱を利用する方法を検討するうえで「粉塵の心配がないこと」「建物の強度を落とさないこと」などを考慮し、外気を直接取り込まず、外壁に開口部を開ける必要のない「間接外気冷房システム」を、初めてデータセンターに導入しました。また、将来の拡張を考慮し、建物の性能を落とさずに段階的に実装できる施設づくりを実現しました。
ほくでん情報テクノロジー様に大変満足いただけており、嬉しく思います。

工事概要

発注者 ほくでん情報テクノロジー株式会社
所在地 北海道札幌市
オープン 2011年9月
URL
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関連情報

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