三菱商事株式会社 MCC三鷹ビル サウス棟

最新鋭の都市型データセンターを建設したい。

三菱商事株式会社 MCC三鷹ビル サウス棟

お困りごと

今後もデータセンター事業を拡充していくため、利用者の多様で高度なニーズに応える最新鋭の都市型データセンターを建設したい。

成功事例

三菱商事株式会社様は東京の三鷹市に、都内で2棟目となる新データセンター「MCC三鷹ビル サウス棟」を大成建設の設計・施工で建設し、2013年10月よりサービスを開始されています。

MCC三鷹ビル サウス棟

「直接外気冷房システム」を採用した都市型データセンター「MCC三鷹ビル サウス棟」は、最新鋭のソリューションによって、高い耐災害性・安全性を確保することはもちろん、データセンター利用者の多様で高度なニーズにも応える柔軟性と、高水準な環境性能を実現しました。
同じ敷地には、既存のデータセンター「MCC三鷹ビルノース棟」が隣接しており、2棟を併せた総延床面積は約40,000m2と、都心近郊で有数の規模を誇ります。

三菱商事株式会社 ITサービス事業本部 ITサービス事業企画部 ITO事業チームリーダー 小川 浩史 様

「MCC三鷹ビル サウス棟」の計画では、データセンターとして最新のスペックを保有することはもちろん、高い耐災害性、安全性を確保することを目指しました。さらに、高レベルな環境性能とお客様の多様なニーズに対応できる柔軟性を追求する一方、高いコストパフォーマンスを実現するデータセンターの構築を目指しました。

数社によるコンペを行ったうえで大成建設をパートナーに選んだ理由として、工期や収納ラック数など様々な要求事項を単に満たしただけでなく、外気冷房システムなど一層踏み込んだ提案をしていただいたこと、また、大成建設は外気冷房システムの実績を有していたため、安心して採用することができたこと等が挙げられます。

三菱商事株式会社 ITサービス事業本部 ITサービス事業企画部 ITO事業チームリーダー 小川 浩史 様

ソリューション

データセンターに求められる様々な需要を背景に、「エネルギーの高効率化」・「高い耐災害性」・「サーバールームの柔軟性と拡張性」を備える次世代の都市型データセンターを実現しました。

従来の都市型データセンターと比べ消費電力を約3割カット

冬季や中間期など、年間の約7割の期間において外気を導入しサーバールームを冷房することで、ランニングコストを大幅に削減します。従来の都市型データセンターにおける消費電力に比べ約3割を削減し、最高効率時でPUE1.22を実現しました。

消費電力の見せる化と消費電力の削減

外気冷房システム

今回導入した外気冷房は、建物外から取り込んだ外気の状態により室内空気とのミキシング・加湿などを行い、温湿度をコントロールしたうえで最適な冷却風をサーバールームに供給するシステムです。
年間の約7割の期間において熱源を稼働せずに空調を行うことで、消費電力削減・空調コスト削減・省エネ効果アップを実現します。

外気冷房システムイメージ図

大成建設 設計本部設備グループ 長 徹

サーバールームの床面積を可能なかぎり確保するため、空調機械室をサーバールームに対応する形で集約し、さらにその外側(屋外)に外気冷房システムの給排気に必要なダクトやフードを構築しました。これにより、サーバールームの有効面積を最大限に確保するとともに、多層階の都市型データセンターでも効率よく外気を取り入れる計画としています。

立地条件やお客様の求める性能に対してどのようなデータセンターづくりが可能であり、また、どのような計画がベストソリューションであるのかをお客様とともに考え、チャレンジいたしました。

大成建設 設計本部設備グループ 長 徹

「ハイブリッドTASS」

高い耐災害性、安全性を確保

最新型の免震システム「ハイブリッドTASS」を採用し、国内最高レベルのPML値※3.0を実現しました。地下階の免震層はクールピットとして利用することで、消費電力の削減に貢献します。

※Probable Maximum Lossの略で地震被害を想定する指標。「予想最大損失率」。

ハイブリッドTASS

また、特別高圧受電などの電源システムを二重化および冗長化構成とし、自家発電設備は72時間の連続運転を可能とするなど、冗長性に優れた設備環境を構築しました。

信頼性の高い電源システム

大成建設 設計本部設備設計第二部設計室 齋藤 允喜哉

商用電源が停電してしまった場合や機器の故障など万一の時に備え、また、機器の更新時においてもサーバーへの給電を継続し続けられるよう、徹底した二重化および冗長化構成とすることで、信頼性の高い電源システムを実現しました。

大成建設 設計本部設備設計第二部設計室 齋藤 允喜哉

サーバールーム

サーバールームの柔軟性と拡張性をアップ

サーバールームは最大2,400ラックを収容する高密度なプランを具現化するとともに、平均6kVA/ラックまで対応可能な電源・空調設備を設置しました。
外気冷房システムをスパン単位で構成することで、各区画ごとに外気冷房の利用・非利用の選択が可能となり、自由なラックレイアウトで段階実装も容易に行える設計としています。

一般的な外気冷房DCとの比較図

災害リスクの少ない、好アクセスな立地

東京都心から約40分のアクセスしやすい立地です。武蔵野台地の固く堅牢な地盤で、活断層からも距離があり、東京湾から約20kmに位置する高台のため、地震や液状化の心配が少なく、津波の心配がありません。
万が一の大震災時でも交通規制の影響が少ないエリアです。

標高図

周囲に溶け込みつつ、存在感のあるデザイン

法的に必要な侵入バルコニーや吸気スリット、運用に必要な搬入バルコニーやメンテナンスのための採光窓といった機能を具象化したデザインとなっています。また、マンションが連立する三鷹に建設するため、時間により変化する様々な空の表情を映しこむ外装とすることで、近隣の皆さまの視覚にやさしいデザインとしました。

機能をデザイン(インダストリアルデザイン)
機能をデザイン(インダストリアルデザイン)
「空」を届ける(近隣配慮)
「空」を届ける(近隣配慮)

大成建設 設計本部建築設計第二部設計室 土井 健史

建物の用途上、欠くことのできないそれぞれの機能を形態化し、デザインに包括するプランを行うことで、装飾性を削ぎ落とした工業製品のようなデザインを目指しました。次世代の都市型データセンターにふさわしい、近未来的な趣をもつ外観に仕上がっています。

大成建設 設計本部建築設計第二部設計室 土井 健史

三菱商事株式会社 ITサービス事業本部 ITサービス事業企画部 ITO事業チーム シニアマネージャー 竹村 朗 様

MCC三鷹ビルでは、ビジネスの複合拠点として利用者様にお使いいただける環境を整備するため、サーバールームとオフィスの両用途に利用することができる既存のノース棟に続き、サーバールームに特化したサウス棟を完成いたしました。これにより、人とサーバーそれぞれに最適な環境を、利用者の皆さまが目的によって選ぶことのできる環境が整いました。 新設したMCC三鷹ビル サウス棟を運用していくにあたり、最高水準の信頼性と安全性、環境性能を維持しながら、さらに付加価値を上げていきたいと思います。

三菱商事株式会社 ITサービス事業本部 ITサービス事業企画部 ITO事業チーム シニアマネージャー 竹村 朗 様
MCC三鷹ビル ノース棟(左)とサウス棟(右)
MCC三鷹ビル ノース棟(左)とサウス棟(右)

工事概要

発注者 三菱商事株式会社 MCC三鷹ビル サウス棟
所在地 東京都
竣工 2013年10月
延面積 14,600㎡
URL
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関連情報

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