キャンパス・プログラム計画技術

キャンパスの“今”と“将来のあり方”を共有し、
施設計画に翻訳する手法
─大成建設のキャンパス・プログラム計画技術─

キャンパス・プログラム計画技術

「学内での合意形成が難しい・・」キャンパス整備計画時のお悩みごと

学校法人関係者の皆様とお会いした時によくお聞きすることは、校舎の建替え・改修や今後のキャンパス整備を考えるにあたって、「学内検討を進めているが、経営・管理層、教職員、学部学科など異なる立場から様々な意見や要望が出てくる。資金・用地・時間の制約の中で具体的な計画条件をまとめ、合意形成に至ることが難しい」というお悩みごとです。

学内での合意形成が困難となる原因
学内での合意形成が困難となる原因
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大学キャンパスの場合は特に、古い校舎から築後間もない新校舎まで多くの建物がある中で、老朽化した建物の更新だけでなく、学部学科の新設や改組、新たな教育研究環境の導入などのニーズから、概ね5年~10年の中期スパンで、校舎の新増築・改修、または建替えなどが繰り返されます。

しかし、学内での検討から計画条件をまとめ上げるまでのプロセスにおいて、学内関係者間で「目指すべきキャンパスのあり方」についての共通理解と、その目的・コンセプトの共有、整備すべき項目の選択等が十分に練られないまま、ひとまず建物の設計案をスタートしてしまう・・・ということがよく起こります。
その結果、

  • 各々の要求項目を詰め込みすぎて、スペック過多で中途半端な混在校舎となる
  • 必要な諸室・規模を見直さないまま、余剰が多いわりに使い廻すゆとりの少ない施設環境となる
  • 機能配置の混在/散在が生じ、使いやすいまとまりや適正な動線がくずれる
  • 中長期的な展望のないまま、その都度、空きスペースに建築することを繰り返し、キャンパスの快適性や景観を損ない、また将来の建替え整備も難しくする
  • 新旧校舎の環境格差が広がるばかりで、キャンパス全体としての満足感向上・活性化につながりにくい

などの課題を抱えてしまうケースが多く見受けられます。

「将来に向けた学校づくり」のキモは設計前の基本計画です!

様々な課題を解決するためにキャンパスを整備するにあたり、校舎をリニューアルする、または新築する際のプロジェクト全体の流れを下図のフローに示しました。

ここで重要なのは、十分に吟味されていない・整理されていない意見や要望を与件として、いきなり設計を進めるのではなく、学内検討の段階でキャンパス全体や個々の属性が抱えた「現状の課題」と「将来のニーズ」を見据え、今後の“あるべき姿”(マスタープラン)を構築するために基本計画を入念に立案し、関係者間で理解・共有することです。
なぜなら、基本計画でキャンパス全体における当該施設の位置づけや目指すべき方向性が明確になっていない状況で、設計者から提出された案(図面など)を見てしまうと、そのイメージを基本にした施設づくりに終始し、本当に実現したいキャンパスのあり方を追求できなくなったり、設計を進めるうちに異なる見解や新たな課題が発生して計画そのものが迷走する可能性が高いからです。

ベストな基本計画の立案から、学内の合意形成、マスタープラン策定までをお手伝い

大成建設のビジネス・ソリューション部 教育施設計画グループでは、キャンパス全体や校舎の整備計画における学内検討の支援に特化した独自の手法「キャンパス・プログラム計画技術」を展開し、学内関係者相互の現状認識や問題意識の共有から、将来に向けた課題の抽出、そしてプログラム(マスタープラン)の策定、合意形成までをサポートしています。

「キャンパス・プログラム計画技術」の手順
「キャンパス・プログラム計画技術」の手順

キャンパス・プログラムを進める際にはまず、お客様の学内データに基づいて現状のキャンパス・施設の状況、ユーザーの状況などを把握し、需給分析等を行う一方で、当社独自のヒアリング手法(T-PALET※1)を用いて属性毎の問題意識・要望・ニーズやこだわり等を把握し、整理させていただきます。
その上で、「経営・事業」と「教育・研究」の両面において、今後見込まれるニーズやその変化の幅を想定し、それらと整合の取れる「施設・環境」の計画を立案します。
具体的には、

  • 学部・学科の変遷、校舎の履歴
  • 属性別の学生数・教員数・職員数の推移
  • 各校舎諸室の面積や仕様、使われ方
  • 履修登録者数の分布と教室使用、各種施設の使用状況

など、学内のデータを多数の項目に分けて多角的に分析し可視化し、現状の課題と今後のニーズを明確にします。

  1. ※1「T-PALET(ティ・パレット)─「思い」を読み取る当社オリジナル技術」については、本文最後の「関連コンテンツ」より紹介記事をご覧いただけます。

そして、分析したデータを基軸に将来の学校に求められる事業性や機能性を想定し、適正な施設規模・構成などについて、お客様とともに検証しながら基本計画としてまとめます。
お客様とともに完成した基本計画は、その後の設計・施工パートナーを選定するための入札要項を作成する際の資料としても役立てることができます※2。

  1. ※2状況に応じて、そのまま施設設計段階に進めることもできますが、「キャンパス・プログラム」のみ単体でご依頼いただくことも可能です。

キャンパス・プログラムの検討項目例:学内データに基づく必要教室数の算定

履修者数分布(右上図)と教室の使用状況の実態(右下図)データに基づいて、教室の規模別に必要な教室数を算定。授業スタイルに応じた教室レイアウトにも配慮し、既存教室の改修も含めた最適な教室再編プログラムを設定しました。

履修者数別コマ数の分布
教室の使用実態

関連情報

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