地域との調和と人にやさしい
高度医療施設をつくりたい。

お困りごと
予防医療充実のため、PET検査をはじめとした画像診断中心の施設を整えたい。また、住宅街のなかに高度医療施設を建設するにあたり、近隣への配慮も十分に行いたい。
成功事例
今でも東京(江戸)の下町風情が多く残っている千駄木で健診医療センターを建設するにあたり、土地の取得から事業スキームの構築および、事業収支シミュレーションまで、トータルな提案を行い採用して頂きました。さらに、住宅地での施工という厳しい制約のなかで、構想から竣工まで比較的短い工期で完成することができました。当センターは、現在進行中の千駄木地区再開発における起点のプロジェクトになっています。




ソリューション
地域に調和した外観
医療施設と感じさせない外観:
自然素材であるテラコッタ(陶器)ルーバーを採用することでやわらかな印象を与え、住宅地との調和を目指しました。
道路際にカツラを植栽し、組み合わせることで「木立」のイメージを再現しています。
ルーバー(羽板)の役割:
住宅地であるため、施設利用者との視線の交錯を緩和する緩衝材として、また、西日などの日差しを遮って熱負荷を軽減する装置として機能しています。


健診者への配慮
館内にふんだんに自然光を取入れ、健診者の不安感をできるだけやわらげる工夫をしました。エントランスと待合は、吹抜け階段と一体化し、限られたスペースの中で開放感を演出しています。


検査動線への配慮
わかりやすい動線計画とサイン計画で効率のよい健診施設を実現しました。


安静室・回復室
安静室Aには、通常はコンクリートで囲まれ閉塞的になりがちな部屋に、外光を取り入れられるよう小規模な中庭を設置しています。



近隣説明会開催
着工前に日本医科大学様と連携し、近隣住民の皆様へ向けて説明会を開催し、近隣住民の方々の不安感を払拭しました。
工事概要
発注者 | 学校法人 日本医科大学 |
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所在地 | 東京都文京区千駄木1丁目1-5 |
竣工 | 2006年2月 |
延面積 | 2476.2㎡ |
URL |
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大成建設 本社 設計本部 恒川 真一
当健診医療センターがある文京区千駄木は、谷根千(やねせん、谷中・根津・千駄木)と呼ばれる江戸下町情緒の残る住宅地で、まさに文京の香り漂う地域です。
同地域にある付属病院敷地内には、新たな施設を建設する余地がなかったため、土地と事業計画を含むトータルな提案をさせていただきました。「そのような住宅地に計画する最先端の高度医療施設はどうあるべきか?」を考え、地域との融合・高度医療の先進性・ホスピテリティを形にしたいと思いました。
健診に来られる方々の不安な気持ちを和らげるために、シンプルで華美にならないデザインと、あたたかく開放感のある雰囲気を大切に設計しました。