学校法人立命館 立命館大学 びわこ・くさつキャンパス 理工系新棟「トリシア」

地球環境に配慮した環境教育棟をつくりたい

学校法人立命館 立命館大学 びわこ・くさつキャンパス 理工系新棟「トリシア」

お客様のご紹介

学校法人立命館様は、学祖・西園寺公望氏が1869(明治2)年に私塾「立命館」を創設したことに始まります。現在、約48,000人が学ぶ総合学園(小学校から大学院までを含む)として発展し続けておられます。

お困りごと

学園の中期計画「R2020」では、2020年にむけて立命館学園のあるべき姿、それを達成するための学園ビジョン、基本計画についてまとめており、本計画を支える基本目標の一つに「教育、研究、学生生活を支えるキャンパスづくり」を掲げている。
具体的には「コミュニティスペースの確保」、「地域との調和・地域への貢献」、「安全・安心、親環境、地域防災を高めるキャンパスづくり」等を掲げており、びわこ・くさつキャンパス 理工系新棟「トリシア」の整備においても、短期間の工期の中で、これらの目標を具体化し実現させる必要があった。

立命館大学 びわこ・くさつキャンパス Map
立命館大学 びわこ・くさつキャンパス Map

成功事例

大学と企業で構成する「グリーンビルディング・コンソーシアム※」から提示されるアイディアを、大学と設計事務所、建設会社の3者が一体となって建築計画・施工計画を調整し、「実践的な教育を実現する、上質な教材としての環境教育棟づくり」のコンセプトにふさわしい建物として、理工系新棟「トリシア」を完成しました。

  • グリーンビルディング・コンソーシアムとは、立命館大学様と民間企業が連携して環境負荷軽減技術の研究を行うための組織です。
理工系新棟「トリシア」の外観
理工系新棟「トリシア」の外観

新棟では、「産・学・官の連携」、「建物自体を実践教育・研究の素材として活用」、「コミュニケーションの促進」を実現するために、例えば、

  • 「グリーンビルディング・コンソーシアム」の共同研究のための省エネルギーや環境負荷軽減につながる最新技術の導入
  • 環境省委託事業「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業(2013年度)」に採択
  • 学生・教員相互のコミュニケーションを創出する交流スペースの設置

などを具現化しました。

学校法人立命館 財務部 管財課 安原 壮一 様

学校法人立命館 財務部 管財課 安原 壮一 様

本プロジェクトでは、設計者に株式会社 安井建築設計事務所様、施工者に大成建設株式会社様を選定し、本学の教職員や学生の意見を交えながら、「学び・研究の場として真に求められている建物のあり方」を追求しました。
学生の成長に資する最高の学び場として、また、国や企業との共同研究を積極的に推進する場として、理工系新棟「トリシア」の建築計画には様々な仕掛けを盛り込みました。

大成建設様は、施設コンセプトを正確に捉え、私たちの思いをどこまでも汲み取って施工に臨んで下さいました。設計図面の完成後に発生した困難な要求に対しても、つねに前向きな姿勢で対応してくださり感謝しています。

ソリューション

環境技術に関する教育・研究の場のあり方を追及

理工系新棟「トリシア」は、環境技術に関する先端的な教育・研究を発信していく新拠点です。「グリーンビルディング・コンソーシアム」協力企業の協力のもと、自然エネルギーの利用や躯体蓄熱、雨水利用などの最新技術を取り入れ、建物と環境を定量化するなど、研究素材として活用できる建物となっています。

建物の断面イメージ 理工系新棟「トリシア」は、高層棟(トリシアⅠ)と低層棟(トリシアⅡ)を渡り廊下でつなぐ形で構成
建物の断面イメージ 理工系新棟「トリシア」は、高層棟(トリシアⅠ)と低層棟(トリシアⅡ)を渡り廊下でつなぐ形で構成

学校法人立命館 財務部 管財課 安原 壮一 様

プロジェクトが進行していく過程で、「グリーンビルディング・コンソーシアム」の協力企業様の数が倍増いたしました。私たちにとって大変光栄なことですが、設計図面が完成した後にこのような状況が発生したため、施工段階において新たに盛り込まなければならない技術や設備、建設材料等は多岐にわたりました。
大成建設様は、このような状況下でも、「施工者としてなかなか経験できることのない、とても面白い取り組みです。ぜひ一緒に実現させましょう!」と前向きな姿勢で工事を遂行してくださいました。ス-パーゼネコンならではの臨機応変な対応力で、無事に新棟を完成していただきました。

大成建設 関西支店 作業所長 佐藤 勝憲

大成建設 関西支店 作業所長 佐藤 勝憲

立命館様の理工系新棟「トリシア」にかける想いにお応えするため、プロジェクトに関わった全員が「決してNOと言わない」、「お客様の理想を必ず形にする」という強い気持を持っていました。当社の総合力をフルに活用し、サポートをさせていただきました。その一例として、当社技術センターの知見を活かし地中熱利用を行うボアホールを構築し、環境省委託事業「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業(2013年度)」に採択されました。産学官の連携が展開されていく新棟の建設に、施工者として携われたことを光栄に思います。

建物そのものが「実践教材」に!

理工系新棟「トリシア」には、環境都市系の3学科が入居することから、これらの分野を学ぶ学生のための様々な仕組みが施されています。
具体的には、

  • 廊下や研究室の一部は天井を張らずに、天井裏の設備配管や、柱、梁など建築と設備の構成を可視化
廊下や研究室の一部は天井を張らずに、天井裏の設備配管や、柱、梁など建築と設備の構成を可視化
  • 1メートルや5メートルなどの「距離感」が感覚として身につくよう、廊下には定規の目盛りのようなデザインを採用
1メートルや5メートルなどの「距離感」が感覚として身につくよう、廊下には定規の目盛りのようなデザインを採用
  • 「すわり心地の良い角度」を体感できるよう、背もたれの角度を徐々に変化させたベンチウォール
「すわり心地の良い角度」を体感できるよう、背もたれの角度を徐々に変化させたベンチウォール

など、建物で「過ごす」、「体感する」ことで建築や環境に対する感性を磨き、それらの成り立ちやしくみを肌で学べる“生きた教材”として成り立つ建物を実現しました。

建設現場での実習の様子

学校法人立命館 財務部 管財課 安原 壮一 様

建設現場での実習の様子

理工系新棟「トリシア」の「トリ(Tri)」はTrinity(三位一体)であり、「教員・職員・学生」の連携や「産・学・官」の連携を表わします。今回のプロジェクトでは、本学の教職員と学生、設計者、施工者が三位一体となって新棟の計画について意見交換を重ねました。
大成建設様は、計画に基づいて安全に工事を進めることはもちろん、私たちの要望に応じて、建設途中である新棟の現場を学生の実習授業の場として提供し、新棟のつくられていく過程や現場監督の役割、特に施工管理の仕事についてレクチャーするなど、協力会社としてプラスアルファの仕事ぶりを発揮してくださいました。

交流を創出する仕掛けづくり

学生・教員相互のコミュニケーションを促進するため、人々の交流を創出しやすいスペースを新棟の屋内外に散在させました。「イバショテラス」や「ラボカフェ」など様々なかたちで交流スペースを設け、学生・教員の方々が、研究室や回生を超えて交流が可能な空間づくりを行っています。

ラボカフェ
ラボカフェ異なる研究室の学生交流を促すために各階に設置されたラボカフェ。明るくゆったりとしたスペースが交流や議論の場所となります
イバショテラス
イバショテラス大階段は人工木仕上げの「イバショテラス」となっており、外の風や緑を感じながら休憩できるスペースになっています
ティーチングコモンズ
ティーチングコモンズ教員と学生の交流を促すために教員研究室の前に設置された共有スペース。少人数のゼミやミーティングなどに利用できます

工事概要

発注者 学校法人 立命館
所在地 滋賀県草津市野路東1-1-1
竣工 2014年5月
延面積 6,958.41m2
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関連情報

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