株式会社ナカニシ CNC棟

国内外にアピールできる機能性とデザイン性に長けた工場

株式会社ナカニシ CNC棟

お困りごと

海外シェアの売上拡大に伴い、生産能力・生産効率を高める必要がある。海外のお客様も多いため、国内外のお客様にアピールできる「機能性+デザイン性」に長けた基幹工場をつくりたい。

成功事例

CNC棟外観

1930年の創業以来、歯科医療分野において超高速回転技術をコアとする様々な製品を製造されている株式会社ナカニシ様。世界1位のシェアを誇る歯科医療用機器をはじめ、そのコア技術を一般産業用機器、外科医療機器にも応用し、それぞれの分野でグローバルNo.1ブランドの確立を目指されています。
株式会社ナカニシ様のCNC棟は、大成建設の設計・施工によりCNC旋盤の専用工場として2005年9月に完成しました。

  • CNC(Computerized Numerically Controlled)旋盤とは、コンピュータにより数値制御する旋盤のこと。汎用旋盤に変わり主流の数値制御旋盤の総称。

大成建設は新工場の計画にあたり、

  • 自然豊かな環境に溶け込む日本的なデザイン
  • 生産能力・生産効率アップ・働く人にやさしい環境
  • 落雷が多発する地域性を考慮

など、ナカニシ様のご要望を具現化するため設計部門・構造部門・設備部門などが連携し、プランニングを行いました。
「高い機能性と、工場とは思えない優れたデザイン性に満足した。」と高くご評価いただきました。

株式会社ナカニシ看板

ソリューション

自然に溶け込む、日本建築の特長を生かしたデザイン

株式会社ナカニシ様は栃木県鹿沼市を拠点とされており、2001年に完成した本社棟(当社施工)と同じ敷地内にCNC棟は計画されました。周囲の自然環境に溶け込む日本庭園をイメージして構成された敷地には、池や小川、様々な木々や草花が保存・整備されています。
今回のCNC棟はそのような環境に溶け込むようデザインしました。

  • 自然景観に映えるよう、山々の緑とコントラストをなす白を基調に建物全体を構成
  • 日本建築に特徴的な、明確な「線」や「陰影」が感じられるデザインを具現化
  • エントランスに「隅入り形式」を採用。建物周囲には「軒」や「縁側」をイメージした半外部領域を設置
CNC棟エントランス(昼)
CNC棟エントランス(夜)
  • 敷地内に広がる日本庭園を借景として臨めるよう、ラウンジ空間には高さを抑えた水平窓を採用
CNC棟内観
CNC棟内観

高生産性・高効率・働く人にやさしい環境

精密部品を製造する金属加工室は、加工精度を保つため室温±2℃、湿度60%以下を常に維持しなければなりません。生産力・生産効率アップを図るとともに、生産機器から排出される熱やオイルミストの対策、空調ランニングコストの削減が課題でした。

高生産性

画像加工室は天井を貼らない無柱大空間とすることで、内部容積を最大限に確保。
将来スペースを考慮したフレキシビリティな空間を構築し、清掃やメンテナンスのしやすい環境を実現。

金属加工室

高効率・働く人にやさしい環境

大空間において従業員が働く領域のみを限定して空調する「成層空調システム」を採用。これにより、加工室内のオイルミスト濃度を薄め、必要スペースのみを効率良く空調することでランニングコストを削減。

成層空調システム
成層空調システム
屋根の図版
屋根の外観
鉄骨構造モデル
直径60mmのテンションロッド材と直径310mmのマストを用いて大梁せいを小さくし、屋根の軽量化を実現。

落雷多発地帯である地域性を考慮して屋根に避雷針を設置。屋根全体は吊構造とし避雷針にマストとしての役割を持たせることで、機能性とデザインを融合。

大成建設担当者より

大成建設 関東支店営業部 吉本 満

大成建設 関東支店営業部 吉本 満

株式会社ナカニシ様とは、本社棟(2001年完成)の施工を当社が担当させていただいた頃からお付き合いをさせていただいています。
世界を舞台に活躍されているナカニシ様は、いち早く環境への取り組みを行い、栃木県のエクセレント企業に認定されるなど、グローバルな視点と先進性に優れた企業です。CNC棟のプロジェクトでは、ナカニシ様の思想を深く理解した上でいかにプランに反映するか・実現するかという点について、当社の担当者が一丸となって追求いたしました。落雷発生地帯であることを考慮するなど課題はありましたが、構造と意匠を融合した“構造美”を備える避雷針など、付加価値のあるソリューションを形にできたのではないかと思います。

大成建設 本社設計本部 古市 理

大成建設 本社設計本部 古市 理

今回のプロジェクトでは、国内外のお客様にアピールできる“機能性を備えたデザイン”を目指しました。CNC棟が計画された敷地の裏手には御幣岩がそびえ、周囲は小川に囲まれた自然豊かな景観が広がっています。また、敷地内には鯉の住む池や東屋などがあり、日本庭園の趣を感じられる構成となっているため、CNC棟のデザインにも日本的な要素を随所に盛り込みました。

中西社長様から「想像以上にデザイン性の高い建物をつくっていただきました。見学に訪れるお客様からも絶賛されます」と言っていただき、また、第18回栃木県マロニエ建築・景観賞本賞を受賞することもでき嬉しいかぎりです。

「成層空調システム」を採用するに当たっては空気の流れを可視化するシミュレーションを繰り返し行い、プランニングした空調や温湿度環境が想定通りに機能するのか徹底的に検証しました。必要なスペースのみ効率的に空調できる成層空調システムは、大型商業施設など大空間の居住域をムダなく空調したい場合に広く活用されています。

栃木県マロニエ建築・景観賞とは

栃木県では、「美しい景観づくり」の促進に資するため、都市景観の形成、歴史・文化の創造及び建築水準の向上等に寄与するものと認められる建築物並びに良好な景観を「栃木県マロニエ建築・景観賞」として表彰しています。

工事概要

発注者 株式会社ナカニシ
所在地 栃木県鹿沼市加園坂ノ下760
竣工 2005年9月
延面積 3,580.75㎡
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関連情報

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