OKI本庄工場H1棟 木造
秩父杉とは
秩父市、小鹿野町、皆野町、横瀬町、長瀞町周辺で伐採される杉で秩父古成層によるアルカリ土壌により、その他の地域に比べ比較的にヤング係数が高く、強い木材が取れます。
戦後初期までは薪炭生産が大きな割合を占めていましたが、復興による住宅建設により木材需要が増大しスギ・ヒノキの造林が進みました。

地場産材「秩父杉」を取り入れた工場
本工場は利根川水域の上流にあたる児玉郡の杉をCLTに加工し利用しています。
上流域の森林を植樹・整備することは水源涵養に繋がり、水質の浄化や都市部における水害の影響を緩和する効果があります。公共施設の木造・木質化が進む中、本工場では206m3の木材を利用し、建物全体でCo2換算119tの炭素を貯蔵しています。
2022年6月に木材を伐採した敷地へ植林を行いました。木材の利用者がまた元の場所に樹木を戻す取り組みは全国初の取り組みです。



CLT柱とCLT天井

CLT柱
鉄骨柱に約30mm厚のCLTパネルを被覆し、45分準耐火構造と同等の耐火性能を実現しています。またCLT表面には火災時に炭化断熱層を形成して木材の難燃化を実現する難燃塗料「難燃WOOD塗るだけ」を採用しています。

CLT天井
天井材として使用したCLTは、屋根面の水平剛性を高める水平ブレースの代替部材として機能するだけでなく、木のぬくもりが感じられる温かみのある空間を創出します。


CLTバックマリオン
木立のようなCLTの列柱空間
JR高崎線に面する北面は建物の顔です。前面の大きなガラスは210mm(5層7プライ)のCLTが風荷重を支えることで実現しています。1mピッチに一つ一つ角度を変えて配置されたCLTは環境性能だけでなく、視線の抜けやライティングデザインも考慮されています。7mの伸びやかな木がいきいきとした空間を作っています。

(右)CLTバックマリオン 部分詳細イメージ
