OKI本庄工場H1棟 ゼロエネルギー
ZEF 新たな評価指標
生産エリアも含めた評価によって、エネルギー消費量を適正に評価
建築物省エネ法において、工場のZEB(Net Zero Energy Building)評価は、事務所等用途部分、工場等用途部分の倉庫や駐車場の照明設備のみが評価対象であることから、空調・換気負荷が大きい生産施設の場合、BELS※におけるZEBの評価では適正にエネルギーが評価されていないのが実情でした。そこで、ゼロ・エネルギーファクトリーを目指すために、生産エリアの空調、換気、照明等も含めた評価指標「ZEF」(Net Zero Energy Factory)を構築しました。工場全体を対象とした適正なエネルギー評価が可能となりました。
※BELS:Building-Housing Energy-effciency Labeking System(建築物の省エネルギー性能を表示する第三者認証制度)




最終的には、太陽光発電設備の増設、省エネ制御等を段階的に導入することで『ZEF』(正味100%以上のエネルギー消費量の削減)を目指します。
T-Factory Next® Type3
従来の生産施設では、空調・換気は最大の機器発熱や換気回数で設定した設計風量にて常時運転を行い、在室の状況に関わらず照明が点灯していることから、無駄なエネルギーを消費していました。
本技術は、生産の稼働と人の在/不在の状況により、リアルタイムに照明・空調・換気を最適に制御します。働く人の安全性・快適性・生産性は維持しながら、製造品や生産機器に影響を与えずに生産エリアのエネルギーを大幅に削減することが可能となります。
さらにType3という新たな機能を追加しました。気象データ、生産機器の稼働スケジュール、過去の実績値等から、発電量やエネルギー消費量を予測します。建物負荷を予測することで、熱源・空調設備の最適な運転計画、制御を行うことが可能になります。年間データを蓄積し、AIによる機械学習にて高精度な予測を行うことで、年々省エネルギー化を図ります。


T-Green Cloud BEMS
クラウドを採用したエネルギーデータの遠隔監視システム
BEMSによって収集したエネルギーデータを、クラウドに蓄積することで、日々データを遠隔監視することが可能となります。運用データの分析及び運用・運転の改善結果を画面上に自動コメントする仕組みとしています。
クラウドに情報を集約することで、効率的にマネジメントが可能となり、かつニーズに合わせたシステムの増強・変更が可能です。

ゼロカーボンに向けて
ゼロカーボンという目標は、設計・施工段階のフェーズ、すなわち竣工引渡しにとどまらず、運用段階のサポートと取り組みにより実現します。『ZEF』によって生産設備を除く建屋側(建築設備)の運用によるCO2 排出量はゼロとなる一方で、生産設備によるCO2排出量をゼロとするための取り組みが必要です。本施設においては、太陽光発電設備の増設をPPAモデルにて導入するよう進めています。
さらに再生エネルギー電源の購入によって、建物全体のCO2排出量をゼロとする「ゼロカーボン」を目指します。
