試運転を含め7ヶ月で工場を建設

お困りごと
フィルムメッシュをベースにした次世代電磁波シールド材の量産プラントを建設したい。薄型テレビの激しい市場変動に対応した生産計画が求められており、取引先への納品時期は決まっている。独自製品であり、製造ラインも個々の装置設計も自社で手掛けるが、まだ設計中の部分もある。この状況を理解して柔軟に対応し、工場を建設してもらいたい。
成功事例
セーレン株式会社様は、企画、原糸製造から縫製、販売までの一貫生産体制を有する「総合繊維メーカー」です。製品開発においては非衣料・非繊維を推し進められており、この度、ポリエステル製のフィルムを使用した薄型プラズマテレビ用などの電磁波シールド材を製造する工場を、提案コンペの結果、大成建設にご発注いただきました。
フィルムタイプの量産ラインの設計は、セーレン株式会社様にとって初の試みであり、製造ラインの設計も同時並行で行うものでした。

作られた商品を展示するショールーム
ソリューション
- 短期間での工場立ち上げの実現
⇒設計期間の短縮、大成建設の総合力を活用したコンカレントエンジニアリング
ランニングコスト低減の実現(特にCRにおけるランニングコスト低減)
⇒メリハリあるCR構築(必要な工程には高レベルなCR、それ以外は必要最小限のCRを構築) - 生産システムの設計・製作と同時並行で進捗させた工場設計・施工
⇒生産設備を熟知している大成建設だからこそできる技術・ノウハウ、そして実績の数々
シミュレーション技術を活用した事前検証
⇒気流・物流など - 立地環境への対策(風・塩害等)
⇒建築計画上における各種配慮(大成建設ならではの厳しい基準による建築資材の選定、設計計画など)
客先とのコミュニケーションを大切にし、「工場構築のパートナー」としての自覚と使命でプロジェクト遂行

お客様の声
大成建設担当者より

設計本部 田中 幸嗣
FMセンターで生産されるものが、フィルムメッシュの新素材なので、最新鋭なイメージを工場にも投影できる外観となるように心掛けました。
水平性を強調したメタリックホワイトの清潔感ある外観とし、建物のエントランスを印象的にしたメリハリのある建物としています。事務室の空間はガラスをリズムよく配置し十分な採光がとれる、明るい空間となっています。


FMセンターのあるテクノポート福井は海沿いであり、日本海特有の強い海風が吹付ける場所です。塩害対策にも十分に配慮し、砂地盤であり、砂も舞うのでトラックヤードについては屋内型としました。
今回のプロジェクトは試運転を含み7ヶ月という短工期でした。
着工してからもお客様からレイアウト変更など設計変更のご依頼がありましたが、我々も工場がより良いものになるようにさまざまな提案をさせていただきました。またセーレン様の担当者の方には、常に提案を受け入れていただける環境を与えていただいていましたので、良好なコミュニケーションを通して、正にカスタムメイドで作り上げた工場と言えるでしょう。
お客様から「予想以上の安心感が得られる工場をつくっていただけた」という声をお聞きし、本当に嬉しい限りです。
工事概要
発注者 | セーレン株式会社 |
---|---|
所在地 | 福井県坂井市三国町米納津48-113-2 |
竣工 | 2007年11月 |
延面積 | 18,500m2 |
URL |
- ※本コンテンツに記載された情報(役職、数値、固有名詞等)は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。
セーレン株式会社
開発研究第一グループ 部長 山田 英幸 様
予想以上に安心感の得られる工場となっています。
短工期で仕上げていただきたかったので、生産設備のことも柔軟に対応していただける設計をお願いできるのではないかと考え、大成建設さんにお願いしました。
今回のプロジェクトを通じて、生産設備をはじめとする工場のエンジニアリングを理解して工場を作ることができるのは、エンジニアリング部門を持つ大成建設さんの強みだと感じました。
我々の生産ラインをただそのまま設置するという設計をするのではなく、生産設備の特性や稼働時の状況などをエンジニアリング部門と設計部門の方が熟慮して、シミュレーションを行いながら工場計画を進めて下さいました。
今までは工場稼働後に「あれっ・・・」という不具合が発生することがありましたが、生産設備を稼動した後においても、すぐに安心して使える工場にしていただきました。
今回のプロジェクトで実感したのは、トータルコストと性能をバランス良く追求するならば、工場と設備を別々に考えてはいけないということです。工場は生産設備と製造ノウハウが結集したものであり、工場全体が一つの製造装置であるという発想が必要だと思います。