グループホームの開業を検討したい。
患者の高齢化も進み、認知症が進んでいる方の長期入院も多くなっている。
お困りごと
10年以上、高松市内で内科呼吸器科医院を開業している。患者の方々の高齢化も進み、認知症が進んでいる方の長期入院も多くなっている。当地域でグループホーム施設の申請も難しくなるという事を聞いた。地域のトータルケア体制を確立するため、現在の医院近くの敷地でグループホームの開業を検討したいが相談にのってもらいたい。
成功事例
先生が当社にご相談される前に検討されていた敷地は、車で5分以上離れた山の方にあり、家族の方が気軽に訪れることができる立地ではありませんでした。そこで、医院から歩いて3分ほどの場所に土地をご用意しました。当初はグループホームとデイサービスで施設を構成することを検討されていましたが、収支・地域ニーズを考慮しグループホームと有料老人ホームを一つの施設で展開する複合施設という形を提案させていただきました。
木村先生の思いと私たちの提案、事業収支のシミュレーションを行うなど何度となくディスカッションを重ねました。先生が計画当初より思っていらっしゃった「入居される方が家にいるのと近い状況で過ごせる明るくアットホームな施設にして欲しい」という事、その思いを形にするためにさまざまな提案をさせていただきながら形にしていきました。
ソリューション
大成建設内のネットワークを活用しお客様のご要望に近い、より良い敷地をご提案。
その結果、余裕がある敷地となり事業の可能性に広がりができた。地域でのトータルケアを目指すという先生のご要望に応えるため、複数の事業を合築する方針を提案。
収支と地域ニーズを考え、グループホームと有料老人ホームという形態に決定。
建築的には、接道が少なく不整形な敷地形状を有効利用し、1階リビングからアクセスできる位置に庭を設けている。この庭に面してデッキを設け大きな開口をとることで、空間が広く明るく感じられるよう工夫している。また通常グループホームの2階部分は転落などの危険からベランダは付けないが、先生のご要望もあり2階のベランダをウッドデッキで仕上げ、食堂・居室のフローリング床との一体感を演出し、限られた空間に拡がりが感じられるよう心がけた。
またグループホームの入口の扉は、ポリカーボネートを使い怪我等を予防している。
大成建設担当者より
大成建設 設計本部 山内グループ 井上 雅仁
院長先生より「家庭的雰囲気の施設」という課題を頂き、幾つかの類似施設（県外を含めて）を先生と見学して、共通なイメージを膨らませる事から設計がスタートしました。
健康的で明るい施設を心掛け、外壁には暖色系タイルを、床材にはフローリング材を、又ベランダには床材と連続するように、バリアフリーのウッドデッキを多用しました。
個室の便所は、原寸模型にて便器や手摺の位置を、スタッフの方にも確認していただきました。
又、グループホームの台所は対面キッチンにし、いつでも顔と顔を見合わせられるようにしました。
屋上は、将来緑化し庭園にすることが可能な荷重を見込んでいます。先生がご希望されているバーベキューも可能です。
工事概要
| 発注者 | 医療法人社団 木村内科呼吸器科医院 |
|---|---|
| 所在地 | 香川県高松市 |
| 竣工 | 2005年11月 |
| 延面積 | 1,533.94㎡ |
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大成建設 設計本部 建築計画グループ 岡田 哲
先生としての投資は大きくなるものの、地域医療（既存診療所＋今回計画認知症グループホーム）を担いながら高齢者の生活（有料老人ホーム）をバックアップすることができるようになりました。先生が今まで以上に地域から信頼されて頼られる存在になると考え、先生もそれを受入れてくれたのだと感じています。
先生のご要望（今回はグループホーム）を聞くのは勿論ですが、もっと先生にやっていただきたい事業（今回は有料老人ホーム）があるのではないか模索し、その事業を行った際のメリット・デメリットを説明した上で、最終的に事業選定ができました。結果として先生及び地域の喜びに結びついたと考えています。今後も計画面において、客先の当初の思い以上の結果が出せるように努力していきます。