老朽化した施設をリゾート型介護施設としてリニューアル

お困りごと
沖縄県国頭郡恩納村で1976年(昭和51年)5月に開設した平屋建て施設だが、約30年を経過して建物・設備など、いたる所が老朽化してきている。
恩納村谷茶の高台に位置し、東シナ海と緑豊かな恩納村の山々を眺望することができるようなリゾート型介護施設として、既存入居者に一時転居などの不自由を負担させず、介護サービスの低下をまねかずにリニューアルをしたい。
成功事例
高台に位置していることを利用して、そこからの眺望を十分生かすことを考えました。通常の特別養護老人ホームは、3~4階建てが一般的な中で、日本初の高層7階建てリゾート型特別養護老人ホームを建設し、〈全室個室〉〈ユニットケア〉の導入などによる「全国オンリーワンの施設」を実現しました。
建物の外観もお客様の希望である「南仏風」イメージが実現でき、また、敷地の有効利用により、既存入居者への負担も少ないかたちで、施設を新しくすることができました。

ソリューション
〈発注者〉〈設計事務所〉〈施工者〉の連携
3者間の意思の疎通を計るべく、定期的に会議等を行い、距離感を感じさせない密なコミュニケーションと、〈発注者〉からの要望にスピーディに対応することで、お互いの信頼を高めました。
お客様の要望に応えるための橋渡し
設計図上の漠然とした建物イメージをより具体化し、施設として実現できるよう〈発注者〉と〈設計事務所〉への橋渡しをしました。このような当社のコーディネート力を強みに〈発注者〉〈設計事務所〉〈施工者〉が共通のイメージを持てるように配慮しました。
〈個室〉および〈ユニットケア〉の導入
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〈個室〉
居室:100室、ショートステイ:20室、一部屋あたりの面積:18.3m2。〈個室〉内には両開きのトイレと洗面所を配備し、限りなく個人のプライバシーを配慮。

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〈ユニットケア〉
10人を1ユニット(1フロア2ユニット×5層)とし、少人数で個人の生活リズムを尊重したケア体制を導入。

その他
- 敷地内の未造成地と社員寮敷地を有効利用することで、既存入居者の一時転居をなくし、コストを軽減
- 厨房施設、ユニット内キッチンなどにオール電化を導入し、火災による不安を低減し、より安全を確保
- 沖縄の強い日差しを避けるために、各階外周部に1.8mの庇を設置したり、通風に配慮
- 年中、心地よい風が吹く、地域の特色を生かし、冷房費軽減のために、片廊下型の居室配置
- ユニットを統一仕様にせず、壁紙、配色などバリエーション豊富な仕様を導入


大成建設担当者より

大成建設 本社 医療福祉本部 課長 野副(のぞえ) 紳一郎
建設段階でお客様の要望を工事担当所長に的確に伝えるべく、営業・工事担当が一体で施設建設を進めてまいりました。竣工時には、ゆうなの会の皆様から盛大なグランドオープン式典にお招き頂き、その席上で、皆様が完成を大変お喜びいただいている姿に接し、一層感慨深い思いを抱いたことを憶えております。
今後、メンテナンスもしっかり対応し、末永くお客様に喜んでいただけるよう、お客様の目線に立った仕事を行いたいと思います。
工事概要
発注者 | 社会福祉法人ゆうなの会 理事長 神谷 幸夫 |
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所在地 | 沖縄県国頭郡恩納村字谷茶1919番地7 |
設計 | 株式会社LAU公共施設研究所 |
竣工 | 2006年6月 |
延面積 | 7,785.90m2 |
- ※本コンテンツに記載された情報(役職、数値、固有名詞等)は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。
大成建設 九州支店 谷茶(たんちゃ)の丘 工事担当所長 宮本 武彦
「叡智と技術を結集して」工程・安全・品質・管理環境を徹底して行い、施工に当たってまいりました。
ゆうなの会の皆様および、設計・監理を担当されました株式会社LAU公共施設研究所様と、定例等で密なる連絡・打合せを行ったことによる信頼関係が、工事を順調に進める最大の要因となりました。
また、幸いにも天候にも恵まれ、心配された台風等の被害も無く完成を迎えることができ、建物を見るたびに竣工の喜びが蘇ってきます。 この何事にも代え難い経験を今後の仕事に生かしていけるよう、日々邁進して行きたいと思います。