港区立郷土歴史館等複合施設[ゆかしの杜]
WORKS

創建当時の姿をそのまま残している空間。手すりや補助照明のみ増設した
東京・白金台に位置する旧公衆衛生院(内田祥三設計、1938 年竣工)を、耐震改修および用途変更し、港区の郷土歴史館、がん在宅緩和ケア支援センター・子育て関連施設・区民協働スペースなどに活用する計画です。創建当時の意匠や技術など、歴史的価値を保存すると同時に、現代における利活用に応えるため、既存建物を現行法規に適合させ、最新設備を導入して再生しました。永く生き続ける近代建築の好例として、巧く活用され、広く愛されることを目指しました。


空間の開放性を損なわないT.G-Wallによる耐震補強
1階カフェ及び2階コミュニケーションルーム部分に、デザイン性に配慮した「T.G-Wall」を採用しました。
「T.G-Wall」は透明性の高い強化硝子を座屈補剛材とした鋼板の斜め格子状の耐震補強で、実験により効果を確認しています。

外壁タイルの安全性確保とサッシの更新
外壁タイルについては全数打診調査を行い、約84万枚のうち約13万枚を張り替え、アンカーピンの本数は約35,000本に上りました。
サッシについては、創建時はスチール製で、後年カバー工法によりアルミサッシに更新されていましたが、腐食がかなり進行していたため、今改修では部屋内側から既存スチール枠をはつり取り、新たなアルミサッシに更新しました。

既存ガラスブロック床を地下から支える

サッシは既存スチール枠を削り取ってアルミサッシに交換、タイルは一部張り替えを行った

安全面を考慮してガラス手すりを増設した
大成建設のソリューション




受賞歴
2021年 東京建築賞(優秀賞)
2020年 日本建築学会賞(業績)
2020年 第29回BELCA賞ベストリフォーム部門
2019年 JIA優秀建築選2019(100選)
2019年 第8回耐震改修優秀建築表彰(国土交通大臣賞 耐震改修優秀建築賞)
2019年 平成30年 照明普及賞
工事概要
発注者 | 港区 |
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所在地 | 東京港区 |
竣工 | 2018年2月 |
延面積 | 15,155.2m2 |
基本設計・実施設計監修・監理 | 日本設計 |
実施設計 | 大成建設一級建築士事務所・香山壽夫建築研究所・JR東日本建築設計 |
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