木の温もりで包み込みアスリートと観客の一体感を創出する。
国立競技場
WORKS

神宮の杜と調和する日本らしいスタジアム
新たな国立競技場は、「庇」を積み重ねた日本らしい外観としました。伝統建築の構成要素である庇は、日本の風土に根ざした古来からの知恵。日射を遮って心地よい風を観客席に送り込み、環境に優しい建築をつくります。さらに明治神宮外苑の緑豊かな環境に溶け込むように、建物の高さを出来るだけ抑え、軒庇には在来種の緑を茂らせました。フラットな大屋根は、国産木材と鉄骨を組み合わせた架構による約60m の片持ち構造。日本の伝統・風土・技術を融合した、世界に誇れるスタジアムです。




風を活かし観客席の温熱環境を改善


「風の大庇」が季節ごとの風を効率よく取り込みながら、スタジアム内の熱と湿気を上部から排出することで、観客席とフィールドの温熱環境を改善しています。また、庇を構成する格子の間隔(開口率)を方角によって変え、南南東側は密にして夏の風を捉え、観客席に導き、北側は拡げて冬の風を受け流し、屋根内部に導きます。




優れた構造性能と施工性の追求

限られた工期内で優れた品質と耐久性を実現するため、片持ち屋根とスタンドは同じ構成のフレームを周方向に繰り返すシンプルな鉄骨造とし、基礎や観客席などにはプレキャスト部材を多用しました。また、ソフトファース トストーリー制震構造を採用し、オイルダンパーを用いた柔らかな下層階が地震エネルギーを効率良く吸収します。

工事概要
発注者 | 独立行政法人日本スポーツ振興センター |
---|---|
所在地 | 東京都新宿区 |
竣工 |
2019年11月 |
延面積 | 192,000㎡ |
- ※本コンテンツに記載された情報(役職、数値、固有名詞等)は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。