都市公園とつながり、未来へつなぐ開かれた「知の蔵」。

藤田美術館

WORKS

新しい付加価値をもたらす唯一無二の古建材

近代の大阪を代表する藤田財閥のコレクションを収めた、私設美術館の建て替えです。藤田家邸宅の蔵を改装し、昭和29年に開館。「蔵の美術館」として愛されてきた歴史を継承し、次世代へとつなげる美術館づくりが求められました。再利用した唯一無二の蔵扉や木材、石材、茶室などのさまざまな素材が、旧館の面影を残しつつ、そこに存在するだけで空間を濃く、豊かなものに変換します。美術品だけではなく建材もまた、未来へと継承すべき宝の1つです。

大成建設のソリューション

ガラス張り空間の温熱環境を最適化

土間空間の快適性と省エネを実現するため、大庇による日射遮蔽で空調負荷を抑制し、各種センサーを用いて空調風量を最適化しました。ハイサイドサッシは自然換気と、反射板を利用した採光システム「光ダクト」により、建物奥まで空気と光を採り込みます。さらに、調湿効果のある土間と漆喰の大壁が適度な湿度環境を実現します。

断面パース style=
断面パース

昭和20年の大阪大空襲でも延焼を免れた藤田家の蔵のように、美術品を守る新たな「蔵」の展示空間。この蔵をホールや土間が囲む構成は、かつて藤田家があつらえていた漆喰の茶道具箱「藤田箱」をモチーフとした

「蔵」の展示空間

敷地の面影を残し、境界をなくす

明治から大正時代にかけて建てられた藤田家邸宅の敷地は、隣接する広大な都市公園を含め、周辺一帯に広がっていました。時代とともに敷地は分断され、建て替え前の美術館は公園や道路との境界に高い塀がありましたが、行政と協議を重ねて撒去。美術館の庭と周辺を垣根なしにつなぎ、かつての土地の記憶を呼び戻しました。

配置図兼1階平面図
配置図兼1階平面図

工事概要

発注者 公益財団法人藤田美術館
所在地 大阪府大阪市都島区
竣工 2020年8月
延面積 4,214.36m2
  • 本コンテンツに記載された情報(役職、数値、固有名詞等)は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。

関連情報

本ウェブサイトでは、お客様の利便性の向上及びサービスの品質維持・向上を目的として、クッキーを使用しています。
本ウェブサイトの閲覧を続行した場合は、クッキーの使用に同意したものとします。詳細につきましては、本ウェブサイトのクッキーポリシーをご確認ください。