建設当時の姿を保存・再生し、メタボリズム建築を継承する。

静岡新聞・静岡放送東京支社 リノベーション計画

WORKS

メタボリズム(新陳代謝)運動の特徴がよく現れた外観
1960-70年代、日本の若手建築家が世界に発信したメタボリズム(新陳代謝)運動の特徴がよく現れた外観。 当時の姿のまま、銀座・新橋界隈のランドマークとして親しまれてきた
エントランス夕景
エントランス夕景。外装塗装・照明及び内装は今回の改修。1993年に改修された石張りの壁と床はそのまま利用
1967年建設時の外観
1967
今回の改修前の外観
2020

1967年建設時と今回の改修前の外観。原設計は丹下健三+都市・建築設計研究所。
外壁が退色して赤茶色に変わっていたが、円筒の屋外と屋内の塗装を削って建設時の色を割り出し、再現した

メタボリズム建築を更新する

1967年、東京・銀座に建設された有名モダニズム建築の保存・再生プロジェクト。特徴的な外観形状と室内空間の広がりを保持しながら耐震補強するため、円柱コアの内側から薄くて耐力の高い鋼板と炭素繊維シートで補強する工法を採用しました。外壁色は調査の上、建設当時の色を再現。また内装や設備の更新にあわせ、セキュリティ強化やBCP対策、バリアフリー対応、コワーキングスペース等を整備し、執務環境の向上を図りました。

1階エレベーターホールと階段
建設時の壁、床の石を残した1階エレベーターホールと階段
基準階事務室
セキュリティ用の曲面自動ドアを新設した基準階事務室
2階コワーキングスペース
新たに整備した2階コワーキングスペース
1階平面図兼外構図
1階平面図兼外構図。建設時の 形状を保ちながら、3度の改修による仕様や使い方の変化を 積み重ねている。建物中央の 円筒コア内に階段、エレベーター、配管などの縦動線が集約される
1階エントランスホール

1階エントランスホール。コア形状に合わせた円弧状の自動ドア、受付カウンター

円柱コアの足下、池だったスペースをピロティに転用
円柱コアの足下、池だったスペースをピロティに転用

建設当時のフォルムを 保持する耐震改修

既存建物は、地下から屋上まで鉄骨鉄筋コンクリート造の円筒状のコンクリート壁が立ち上がり、各階の床はその壁から鉄骨梁が片持ち状に張り出すことで構成されています。耐震補強は、特殊な架構形式のため地震応答解析により建物の弱点を把握しつつ、省スペースで補強効果の高い計画としました。円柱コア壁脚部(1 階まわり)の曲げ補強として炭素繊維シートを貼り付け、低層階(1-5 階)のせん断補強として鋼板を設置。建設当時のフォルムの保持と同時に、狭小な空間の使い勝手を確保しました。

1階脚部の補強写真
1階脚部の補強写真。
円筒コアの内側一周に補強した鋼板と炭素繊維シート
既存架構と耐震補強位置図
既存架構と耐震補強位置図

工事概要

発注者

静岡放送株式会社

所在地

東京都中央区

竣工

2022年5月

延面積 1,493.10㎡
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