次の100年に向けた「寒冷地ZEB建築」。

古平町複合施設 かなえーる

WORKS

かなえーる外観
北海道北西部、日本海に面する人口約2,600人の町に完成した公共複合施設。木立状のファサードシステムはコンクリート壁柱の間隔・傾斜を内部の使い勝手に合わせて調整可能で、150mm厚の外断熱により高い断熱性能を確保している

積雪寒冷地で快適性と省エネを両立する

北海道で初めて「ゼロカーボンシティ宣言」を行った古平町の庁舎建て替え計画。集会所や図書館等も集約し、町民に長く愛される施設を目指しました。外断熱工法のコンクリート壁柱で安定した温熱環境をつくり出し、埋設した配管に地中熱利用による冷温水を流して建物温度を調整。中間期はハイサイドライトが自然光や風を採り込み、建築・構造・設備が一体となった計画としました。運用後1 年の実績として79%の省エネ(Nearly ZEB*相当)を達成しています。

*Nearly ZEB =ZEB Ready(基準一次エネルギー消費量から省エネで50%以上の削減)の要件を満たしつつ、再生可能エネルギー等による「創エネ」により75%以上100%未満の削減を満たす建築物

ファサードシステム

寒冷地の断熱性と公共施設としての開放性を両立するファサードシステム



高台に建つ町の中心施設である新庁舎
高台に建つ町の中心施設であり、防災拠点としても機能する新庁舎。
南・西面の斜め壁柱間に太陽光発電ガラスを組み込んでいる

集会所の和室.jpg
集会所の和室。 壁柱の打設に使った本実型枠を、
天井ルーバーとして再利用した
吹き抜けのロビー
風が流れ、光が差し込み、町民の活動が集まるロビー

コンクリート壁柱内に埋め込んだ輻射冷暖房システム

外断熱工法で建物外周の断熱を図るだけでなく、内部空間の各所をコンクリート打放しとすることで熱容量を増やし、温度が変化しにくい計画としました。さらに外周壁柱内に冷温水配管を埋設し、冬でもあたたかな窓際の居場所をつくりました。また、寒冷地において有効な地中熱を、冷温水の供給やアースチューブによる外気負荷低減などに積極的に活用しています。

輻射冷暖房配管サーモグラフィー
公園側の建物高さを低く抑え、公園への圧迫感を低減した棟構成/
サーモグラフィーで壁柱の温度分布を確認


あたたかみのある執務室
北海道産カラマツとコンクリートの合わせ梁が、あたたかみのある天井を形成する執務室
窓際
壁柱輻射暖房によりあたたかく、眺めのよい窓際
図書館の閲覧席
図書館の閲覧席。子どもたちの放課後の居場所にもなる
壁柱のPコン穴.jpg 子どもたちの絵.jpg
壁柱のPコン穴に埋め込んだ子どもたちの絵。地域と建物をつなぐ試み

工事概要

発注者 古平町
所在地 北海道古平郡古平町
竣工

2022年2月

延面積 3,887.03㎡
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