法然寺五重塔

法然上人ゆかりの地に、
300年来の悲願である五重塔が建立

法然寺五重塔

仏生山法然寺の二十九世住職

1997年に仏生山法然寺の二十九世住職に就任され、現在もご住職として五重塔建立委員会の委員を務められている細井俊道様にお話しを伺いました。

細井俊道様

─五重塔建立が具体的に検討されはじめてから4年が経過し、全体像が見えてきましたが今の心境はいかがですか。

長年の夢が形になってきて嬉しく思います。月に一度は建設現場内を見学させて頂き、徐々に五重塔が組み上がっていく様子を見ると、実現できて良かったと心から思います。
3月に予定されている落慶法要を無事に迎えられることを心待ちにしております。

実物大1/40の模型
実物大1/40の模型

─五重塔建立計画がスタートしたのはいつですか?

頼重公の時代から300年来の悲願を現代において実現しようという構想が固まったのは先々代の頃になりますが、当時はお堂や仏像など、色々な修繕計画が重なっており、五重塔建立計画を後回しにせざるを得ない状況でした。先代の頃にようやく改修等も終わって落ち着いてきたので五重塔建立計画を進めることに決め、それまでに描いてきた道筋に沿って先々代、先代と受け継がれてきた意志とともにプロジェクトを引き継いでいます。

─実際に五重塔を建てることに決められてから、大成建設に発注していただいた理由は何でしたか?

まずは「仏生山法然寺に合う五重塔」という観点で、多くの専門家から色々な意見や提案を聞こうと思い、コンペを行わせていただきました。数社の中で、大成建設さんの提案はとても分かりやすく、五重塔のイメージが掴めました。
「塔の高さは21m以上であること」という私たちの出した要望に対し、法然上人の800年大遠忌にちなんで塔の高さを800寸(約24m)にするなど、我々が思いつかない要素をプラスアルファして提案してくださいました。

また、使用木材及び心柱は吉野桧にしたいという希望を申しましたら、大成建設さんから奈良の山をご紹介いただきました。一緒に山に入り、真っ直ぐで素直な桧を見つけることができました。社員の方々はいつでも細かい依頼に対応してくださり、レスポンスも早く、お互いに良い関係を築けていると思います。

大成建設さんと一緒に五重塔の建立を進めている金剛組の宮大工さん達も仕事が丁寧で、彼らの高度な匠の技には感銘を受けます。

樹齢250年の吉野桧
樹齢250年の吉野桧
心柱は八角形に製材します
心柱は八角形に製材します

─広い境内の中で、五重塔を建立する場所はどのように決めたのでしょう?

当初は仏生山の山頂にある般若台(法然上人・松平家歴代墓所)に向かって左手の平池を望む位置に予定していましたが、自然災害や参拝客の方々への配慮から仁王門の横手にある平地に変更しました。
法然寺は浄土宗のお寺ですが、頼重公の「宗派・身分を選ばず」という理想にもとづいてあらゆる宗派の供養や回向を続けており、五重塔も多くの方々に開かれた塔として創りたいと思っています。信者の方々や宗派を問わずに訪れてくださる皆様とのつながりをこれからも大切にして、未来の五重塔を含め、伝統ある法然寺を維持し、いつまでも多くの人々に訪れていただける心の鎮まる場所でありたいと思っています。

─最後に、大成建設に今後期待されることをお聞かせください。

将来の国宝となるような五重塔を目指してご尽力いただいていることに感謝しており、 五重塔が完成してからも、変わらずお付き合いいただければと思います。
これからも高い技術を十分に発揮して、お客様を喜ばせる仕事を残していってほしいと思います。

─どうも有難うございました。

コラム:2011年、法然上人800年大遠忌を記念して各種記念事業が開催されます

本文でもご紹介しましたが、仏生山法然寺五重塔が完成する2011年は浄土宗開祖である法然上人の800年大遠忌の年です。
3月には上棟式が無事に執り行われました

遠忌とは50年、100年毎に行われる年忌法要のことを言いますが浄土宗では、800年の大遠忌を機に法然上人の教えを現代的にとらえ、人々に広く再認識してもらおうと「法然共生(ほうねんともいき)」をメッセージ・シンボルとして掲げ、様々な記念事業を企画しています。
総本山である京都の知恩院や、全国7ヶ所にある大本山では大遠忌法要も執り行われます。仏生山法然寺をはじめ、各地の記念事業に皆さんもぜひ、足を運んでみてはいかがですか。

3月には上棟式が無事に執り行われました(左:中西所長 右:松尾リーダー)
3月には上棟式が無事に執り行われました(左:中西所長 右:松尾リーダー)

完成間近!五重目まで組み上がりました

ライトアップの様子
ライトアップの様子

2010年8月、素屋根の解体が終わり、五重塔の姿があらわになりました。
現在は外構工事の準備をしています。来年の完成が待ち遠しいです。

工事概要

発注者 宗教法人 法然寺
所在地 香川県高松市仏生山町甲3215
竣工 平成18年4月1日~平成23年2月28日(予定)
  • 本コンテンツに記載された情報(役職、数値、固有名詞等)は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。

関連情報

本ウェブサイトでは、お客様の利便性の向上及びサービスの品質維持・向上を目的として、クッキーを使用しています。
本ウェブサイトの閲覧を続行した場合は、クッキーの使用に同意したものとします。詳細につきましては、本ウェブサイトのクッキーポリシーをご確認ください。