お知らせ

『カーボンリサイクル・コンクリートを用いた根固めブロック』が関東地方整備局の普及促進技術に指定

2025年9月1日

~現場試行評価結果を踏まえ、CO2削減効果を公表~

当社と日建工学株式会社が国土交通省関東地方整備局の公募「第3回コンストラクション オープンイノベーションマッチング」※1に共同で提案した、『カーボンリサイクル・コンクリートを用いた根固めブロック』が、このたび現場試行後の技術評価を経て関東地方整備局より「普及促進技術」※2に指定されました。

当社と日建工学は、同公募に掲載された「現場ニーズ」のひとつである「CO2吸収コンクリートによるコンクリートブロック」に対し、それぞれの持つ「T-eConcrete®/Carbon-Recycle(カーボンリサイクル・コンクリート)※3」と「環境活性コンクリート※4」を組み合せた『カーボンリサイクル・コンクリートを用いた根固めブロック』(図1・別紙参照)を「技術シーズ」として提案し、2022年8月から現場試行を行ってまいりました※5

図1 カーボンリサイクル・コンクリートを用いた根固めブロック
図1 カーボンリサイクル・コンクリートを用いた根固めブロック

『カーボンリサイクル・コンクリートを用いた根固めブロック』は、製造、備蓄、供用の各段階でCO2排出量の削減やCO2の吸収・固定が可能な根固めブロックです。2024年3月までの現場試行により、CO2の排出削減や吸収・固定について、次のことを検証しました。

現場試行評価の結果について

(1)製造時のCO2収支

製造した3トン型ブロック(1.24m3)1個あたり、固定したCO2量は142kg。製造時に排出されるCO2量よりも多くのCO2を吸収・固定することで、収支が-52kgとなり、いわゆる“カーボンネガティブ”を達成しました。

(2)通算のCO2収支

備蓄・供用の期間をそれぞれ10~30年間とした場合、3トン型ブロック(1.24m3)1個あたりのCO2吸収量は備蓄時で8.2~14.2㎏、供用時で5~15kgと推定できました。製造・備蓄・供用の段階を通算したCO2排出との収支は-67~-57kgとなり、カーボンネガティブの効果が大きくなることを確認しました。

現場試行評価では「工程」、「品質・出来形」、「施工性」、「環境」の4項目について審査を受け、いずれも従来技術と同等以上の評価(C〜Aランク)を獲得しました(図2・表1参照)。特に、CO2の排出や吸収に関わる「環境」においてA評価(従来技術より極めて優れる)、「施工性」についてB評価(従来技術より優れる)を授かったことから、「普及促進技術」に指定されました。

図1 カーボンリサイクル・コンクリートを用いた根固めブロックの現場試行評価結果
図1 カーボンリサイクル・コンクリートを用いた根固めブロックの現場試行評価結果
表1 現場試行評価結果の概要
表1 現場試行評価結果の概要
#1:コンクリートの流動性(型枠への充塡速度)の向上による
#2:一連の期間を10~30年間と想定。備蓄時および供用時の吸収・固定量を追加して評価

今後両社は、普及促進技術に認定された『カーボンリサイクル・コンクリートを用いた根固めブロック』の社会実装を積極的に進め、低炭素社会の構築に貢献してまいります。

注釈

※1 第3回コンストラクション オープンイノベーションマッチング
国土交通省関東地方整備局は「現場ニーズと技術シーズのマッチング」を推進する公募を2017年度からi-Construction推進の一環として実施。2019年度から経済産業省関東経済産業局と中小企業基盤整備機構関東本部が実施するオープンイノベーション・マッチングスクエアと連携し、「コンストラクション・オープンイノベーションマッチング」として実施。新技術を現場に導入するための技術開発や企業間連携“×Tech.”(クロステクノロジー)の実装により、現代の建設業が直面するデジタル化や省人化、環境負荷低減などの課題の解決を目指す。

※2 普及促進技術
「現場ニーズと技術シーズのマッチング」における現場試行評価の結果、従来技術と比べて優れており「公共工事で活用した場合、高い効果が得られる」と評価された技術

※3 カーボンリサイクル・コンクリート(T-eConcrete®/Carbon-Recycle)

※4 環境活性コンクリート

※5 『カーボンリサイクル・コンクリートを用いた根固めブロック』の現場実証を開始

本ウェブサイトでは、お客様の利便性の向上及びサービスの品質維持・向上を目的として、クッキーを使用しています。
本ウェブサイトの閲覧を続行した場合は、クッキーの使用に同意したものとします。詳細につきましては、本ウェブサイトのクッキーポリシーをご確認ください。