身近な非日常空間「水族館」へ行きませんか?
-『水族館を創る』のも大成建設の仕事です-
非日常空間
趣が変わってきた最近の水族館
ジンベイザメが悠々と泳ぎ、ふわふわとクラゲが漂い、イルカのショーもあるなど非日常空間が広がる水族館。「水族館へしばらく行っていないなあ・・・」と思ったあなた!進化している水族館へ思い出を作りにいきませんか?
日本には約70ヵ所の水族館があります。その内の約3割に大成建設が携わっています。
近頃話題になっている「エプソン品川アクアスタジアム」や「新江ノ島水族館」も大成建設の仕事です。こうした最近の水族館、以前とはだいぶ趣きが変わってきているのです。
1980年代前半までは室内での水槽展示が主流でしたが、大水槽による展示方法に変わり、学習機能に加えアミューズメント性が重視され始めました。その後はストーリー性やテーマ性が重要視され、今は動物の行動や生活を見せる「行動展示」や「イルカとのふれあい」を導入する形態が増えてきています。


ところで水族館の海水って、どうしているのでしょう?
飼育生物の生命維持に不可欠な「生物飼育設備」
水族館の立地を思い浮かべてみると、海の近くにあることが多いですから海から取水すると思っていませんか?
もちろん取水も可能なのですが、海水の水質状況が地域により違うため海水ならどこでも大丈夫という訳ではないのです。
実際は“海水を購入”“数100m沖まで配管を伸ばして取水”など、それぞれの水族館に合わせて様々な方法が取り入れられています。
「エプソン品川アクアスタジアム」は海に遠い都心にありますが、4,130tもの水量を必要としています。この水族館の海水は、大成建設が新開発した「人工海水製造システム」と「補給水量低減システム」「海水再生システム」によって支えられています。


是非一度、この水族館のイルカプールを見ていただきたいのですが、海水が本当にキレイです。あまりにもキレイなので、他社が設計・施工を実施した水族館関係者からも技術提供の依頼が入るほどです。
そして魚類や海獣にとって大切なのは生活する環境です。ここで役に立つのが、『ろ過循環設備』です。展示水槽内には残餌や排泄物が自然と溜まります。わずかな濁りでも展示的には透明度が低下してしまい、病気につながる可能性もあります。
従来の『ろ過循環』では、魚類・海獣類からの排泄物、残餌などの有害分質をバクテリアにて無害な硝酸塩まで硝化させますが、硝酸塩が蓄積すると水質悪化となり展示生物に影響がでることから、大量に新鮮海水を補給し希釈してきました。そこで、当社では「補給水量低減システム」の技術により水槽からでた有害分質を低減させ、海水の補給水量を減らし運用コストの低減を図ることができているのです。
また水族館に行って独特の動物臭に気付くことがありますが、「エプソン品川アクアスタジアム」などの都市型水族館では周辺環境へ影響を与えない程度まで高度な技術で脱臭を行っています。
このように水族館には独自の設備が必要です。これは飼育生物の生命維持に不可欠な施設ということで「生物飼育設備(LSS:Life Support System)」と呼ばれています。
補給水設備や循環水処理施設、排水設備、空気供給設備、水温調整設備、飼育空調設備、飼育照明設備などで構成されています。
大成建設では実際に魚を飼育し、魚の生態研究をしてきたので建屋、生物飼育設備の一体化で水族館を作れるのです。ゼネコンでLSSを設計・施工できる会社は大成建設以外にはありません。完成後も継続的に運営をお手伝いしていけるように「循環型の運用サービス」の提案をしています。
現在の水族館は、さまざまな嗜好が凝らされた水槽も増え、海底を散歩しているような擬似体験ができるなど、来館した私達を癒してくれたり、驚かせてくれたり、楽しませてくれたり非日常空間をもたらしてくれます。あまり舞台裏は考えたくなかったと言わないで下さい。見る視点、感じる視点を少し変えることで自分達の環境も意識できるかもしれません。
時には水族館で泳ぐ魚や海獣を見て、技術や設備を必要としない海や自然へ思いを馳せてみませんか?
