地域とお客様を「つなぐ建築」を実現

お客様のご紹介
1927(昭和2)年創業のあわしま堂様。愛媛県八幡浜市に本社を置き、量販店販売日本一のシェアを誇る和菓子メーカーです。また、「美味しさつくり、笑顔つくり」をコンセプトに掲げ、お客様に喜ばれるお菓子作りに取り組まれています。気取らず飽きのこない「いつも身近にあるお菓子」として、健康面にも配慮し、厳選した原料と最新の設備により「安心のできる品質」の商品作りを心がけていらっしゃいます。


プロジェクトのコンセプト
西日本を中心として和菓子の量販店販売を行うあわしま堂様の東日本の拠点となる栃木佐野工場では、「お菓子づくり」をコアとして「つなぐ建築」をプロジェクトのコンセプトとしました。
- 生産をつなぐ
- 環境をつなぐ
- 里山とつなぐ
- 地域とつなぐ
- 伝統をつなぐ
これらのテーマにおいて、建築が固有のつながりをもつ、新たな工場のスタイルを造り出しました。

用地取得から始まった「つなぐ建築」
工場計画当初、あわしま堂様は北関東地方で用地取得を検討されていました。お客様からご相談をいただき、敷地条件のヒアリングを重ね、栃木県に絞込みました。
その後、お客様の役員の方と行政担当者と計画地の視察を何度も行い、佐野市に決定となりました。さらに「工場に直売所を併設したい」とのご要望も受け、行政との間に入って数ヶ月の交渉を重ねた結果、当時の法規制では建築不可能だった工業専用地域から工業地域への法規制の変更を実現し、物品の販売が可能となりました。また、敷地形状のオーダーメイド等の交渉も行いました。
この地道な粘り強い交渉から大成建設の総合力を評価いただき、その後の建築プロジェクトへとつながりました。
生産をつなぐ ─増築を見越した生産ライン


2期工場、3期工場増築を見越し、拡張エリアに影響がない位置にバランスよく座屈拘束ブレースを計画し、将来の生産ラインの拡張性やインフラ・物流動線を確保しました。また、物流コンサルティングを実施した上で、大成建設の関連会社であるネットワーク・アライアンスが新工場からの物流機能を3PLとして担い、品質と生産性の向上、そしてコスト削減に向けて日々の物流運営をサポートさせて頂いています。




エンジニアリング本部 ロジスティクスソリューショングループ 栗山 聡
物流の運営は、生産部門,営業部門との連携が欠かせず、稼動当初はその連携が上手くできずにご迷惑をおかけした点もありました。
しかし、経営層をはじめとするあわしま堂の皆さまのご協力を頂き、現在は品質も安定し、生産性向上及びコスト削減に向けた取組を着実に推進しています。
環境をつなぐ ─里山環境を顕在化した、周囲の環境に呼応する建築
敷地は自然豊かな佐野の山々を背景にした工業団地のフロントに位置します。そのような環境を生かし、佐野の伝統建築を踏襲した切妻の連続屋根やカラーリングを採用。竹林・雑木林などの地場植生によるランドスケープが周囲の山並み景観と呼応し、自然豊かな環境と緩やかにつながります。


営業推進本部 不動産情報部 不動産情報室 小松 森一郎
今回の工場新設計画にあたり、一番最初の作業となる用地選定のお手伝いが出来たこと、大変光栄に思っております。
また、計画用地取得には、様々な検討を行いましたが、お客様をはじめ、行政の方々等、関係者皆様のご協力があり達成出来たと思っております。用地選定、施設計画等、当社の総合力を活かせた本案件に携われたこと大変感謝しております。