東京国際大学 池袋キャンパス

設計者に聴く

どのような思いで、このプロジェクトに臨まれましたか?

大成建設 設計本部 建築設計第五部 設計室長 西尾 吉貴
大成建設 設計本部 建築設計第五部 設計室長 西尾 吉貴

このプロジェクトは、2017年の検討開始から2023年の竣工まで、約7年間をかけて完成しました。この7年に及ぶ長期間に、倉田理事長・総長とは数限りない対話を行いました。理事長・総長の言葉はとても熱意に満ち、思慮深いものでした。その想いを実現することが、この建築を最良にすると感じました。
その最初期に倉田理事長・総長は次のような話をされていました。

  • 学問の場にふさわしいアカデミックな空間としたい
  • 大学としての品格を備えた建築を創りたい

お客様のご要望に、どうお応えしましたか?

この2つの目標は具体的な設計を進める中で、次の課題となっていきました。

  • 前面の公園などとの地域交流を可能としつつ、学問の場としての静謐な雰囲気の確保
  • 全周から見える品格を備えた建築を実現するための、駐車場や駐輪場などの様相の消去

そこで生み出されたのが「ステージ型」キャンパスです。
これは公園や街との関係を持ちながら浮遊する人工地盤による「ステージ」を用いて、つながりながら境界を生み出すキャンパス形式です。

学生は公園や街から階段やエスカレーターにより一段高いステージに上り、ステージから目的のラウンジや図書館、教室などへアクセスします。
ステージは、公園に対する舞台、又は公園に対して観覧席となり、周囲との関係性を保ちつつ、アカデミックな学問の場としての様相を保ちます。これは国際アートカルチャー都市構想を掲げる「劇場都市」池袋に対するトリビュートでもあります。
さらに、このステージの下部に防災センターや搬出入口、駐車場、駐輪場、その他のサポート機能を内包して表出させないことにより、周囲に対しての建築の品格が保たれます。

これまでの都市型キャンパスは、空地が完全に開放されたオフィスビルのようなタワー型校舎が一般的でした。その対極に、郊外型キャンパスのように塀や門扉により閉じられたキャンパスがありました。

各キャンパス形式イメージ図
都市に多い「オフィスビル型」キャンパスと郊外に多い「オープン型」キャンパスを融合した、新形式「ステージ型」キャンパス

東京国際大学池袋キャンパスは、これまでの都市型や郊外型のキャンパスとは異なり、両方の利点を合わせ持った「ステージ型」による新しいキャンパス形式としています。
どちらかを選ぶのではなく、新しいキャンパス形式を生み出すことで、今回の課題に回答しました。

工事概要

発注者 学校法人東京国際大学
所在地 東京都豊島区
竣工 2023年5月
延面積 35,896.45m2
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