ザ・シンフォニーホール(後半)

日本初のクラシック専用コンサートホール

ザ・シンフォニーホール(後半)

大成建設担当者より

■本社 設計部 新井 昭義
■技術センター 電気・通信チーム 吉野 涼二
■技術センター 音環境チーム 増田 潔

技術センターにて(左から、吉野・新井・増田)
技術センターにて(左から、吉野・新井・増田)

当時を振り返って

新井:
当時は音響担当チームの一員として参画しました。専用ホールを建てる風潮のない時代に、朝日放送株式会社様の原清社長(当時)の強い要望で、音楽専用ホールの設計・施工を請け負えたことは、大変恵まれた好機でした。
ホールの用途、容積から「残響時間2秒」が適正と判断し、図面だけでは検討しきれない部分を確認するため、模型実験も採用しました。

吉野:
私は音響担当者として主に模型実験の実務を担当しました。模型といっても私の身長より少し大きい天上高で、籠るように色々な音響的検討を繰り返しました。模型実験を音響設計に積極的に適用したことは、現在の音楽専用ホール設計技術確立への第一歩とも言えるでしょう。

模型実験中!(写真中央:吉野)
模型実験中!(写真中央:吉野)
朝日新聞の広告特集記事(昭和57年10月11日付)
朝日新聞の広告特集記事 (昭和57年10月11日付)

音を守り続ける

増田:
ホールの建設は私の入社前の話ですが、クラシックが好きで、ザ・シンフォニーホールには何度か訪れていました。体感したことのない、素晴らしい音の響きに感激したことを覚えています。音が全身を包み込む初めての感覚でしたね。その感動がきっかけで、大成建設に入社しました。

幸運なことに、入社後は音響技術者としてザ・シンフォニーホールの改修工事のお手伝いをさせていただいており、工事前後で音響性能に変化が無いことを測定により確認しています。朝日放送株式会社様の音に対するこだわりに共感し、共に音を守っていきたいと考えています。

プロジェクトを通して

新井:
日本初のホール建設に携われて幸せでした。そこで得たことは財産となり、その後の業務にも活かされています。“良いホール造り”には音響専門家だけでなく、その知恵を具現化する総合的な技術力も必要であると実感しました。

吉野:
実務で初めてホール建設に携わることの出来た思い出深いプロジェクトでした。約1年に及ぶ実験は大変でしたが、楽しい気持ちの方が勝っていましたね。私の誇れる仕事の一つです。

工事概要

発注者 朝日放送株式会社
所在地 大阪市大淀区大淀南2丁目3番地
竣工 1982年9月
延面積 14,898m2
音響設計 東大生産技術研究所、石井聖光、大成建設技術研究所
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