医療法人 博仁会 共済病院

適正な規模・診療機能を備えた新病院

医療法人 博仁会 共済病院

お客様のご紹介

埼玉県さいたま市にある医療法人 博仁会 共済病院様は昭和36年(1961年)に創立されました。「安全で思いやりのある医療を提供し、地域を支えます」という理念のもと、地域に根差した病院として、専門的な医療をはじめ、救急医療や高齢者医療、さらに保健・福祉サービス等との連携を深めたトータルな対応で、患者様の多様なニーズに応えておられます。

お困りごと

創立50周年という節目に、老朽化した病院を建替え、耐震性能を改善したい。
将来の病院経営を見据えた施設計画を行い、患者様やスタッフの満足度向上につながる病院づくりを実現したい。

成功事例

共済病院様の新病院は、2013年5月に大成建設の設計・施工により完成しました。

当社の医療施設づくりに精通した専門チーム(病院の事業支援コンサルティング部門、エンジニアリング部門、設計部門、施工部門などで構成)の、新病院の目指す方向性の策定から、設計、施工、移転・引越しまでワンストップで行う総合力を評価していただきました。

新病院 外観
新病院 外観
フロア案内図(地上5階建、病院機能を1階~4階に集約)
フロア案内図(地上5階建、病院機能を1階~4階に集約)

将来ビジョン

医療法人 博仁会 共済病院 常務・事務長 杉野 髙秀 様

大成建設は、当院の将来ビジョンはもちろん、今後の事業性を念頭に入れたうえで、新病院のあるべき姿を提案してくださいました。
また、

  • 工事中も旧病院で診療を続けられるよう、ローリング※と呼ばれる難易度の高い施工方法を実施する
  • 旧病院からの移転・引越しを含む開業準備を支援する

など、大成建設の各部門のプロフェッショナルに協働いただき、プロジェクトを一気通貫で進めることで様々なメリットが見込めると判断し、設計・施工を一括で発注いたしました。病院の建設や運用に関して豊富な知識、技術を保有しておられることを評価いたしました。

  • 部分的に解体(旧病院)→建設(新病院)→移転を繰り返すことで段階的に建替えを進める建設手法。
医療法人 博仁会 共済病院 常務・事務長 杉野 髙秀 様

ソリューション

今回のプロジェクトでは、地域住民の方々の健康を守る・支える医療をさらに展開していくため、「健診センターの充実を図り、診療と健診の両部門がバランスよく機能すること」、「患者様とスタッフにとって、利便性・快適性に優れた病院を構築すること」が求められました。
大成建設は、共済病院様から提示された基本構想をもとに、周辺の医療環境に係る調査データを洗い出し、お客様とともに事業内容を検証することからスタートしました。

STEP1:事業内容を検証し、新病院の整備方針を確定

当社のソリューション営業本部医療福祉計画グループが中心となり、周辺地域の将来人口と想定される患者数を統計から予測し、医療圏の特性(入院対象となる患者像や競合病院の状況など)を調査・分析してデータ化しました。

周辺地域の医療環境を調査・分析
周辺地域の医療環境を調査・分析

数値によって可視化されたデータを参考に、新病院の事業形態や規模について改めて検証し、新病院の位置づけを明確にしたうえで、今後必要な診療機能を確定しました。そして、病院機能(病棟構成、人員配置など)や具体的な施設計画の内容をブラッシュアップしていきました。

適正な病床数を117床(一般病床80、療養病床37)とし、病室、手術室、機能訓練室など、各部門の用途と関連性を考慮した病棟構成を立案し、設計部門と共有しました。

病棟構成・配置の検討
病棟構成・配置の検討

「将来の病院づくり」

ソリューション営業本部ビジネス・ソリューション部 医療福祉計画グループ 小島 督弘

「将来の病院づくり」を成功させるポイントは、多様で複雑な病院機能に対して、ハード・ソフトの両面から総合的に検討し、相互が有機的に機能するよう計画することです。そのために当社では、綿密な調査データを活用して、新病院に求められる事業形態や収支を見込み、適正な規模・病棟構成を検証して設計条件に反映することを重視しています。事業戦略を見据えて新病院の機能計画を行えることは、多くの医業経営コンサルタント有資格者を擁する当社の強みです。
そして、このプロセスを設計前に実施することは、ずっと長く使える病院づくりに有効です。

ソリューション営業本部ビジネス・ソリューション部 医療福祉計画グループ 小島 督弘

STEP2:患者様、スタッフが「使いやすくて過ごしやすい」空間を設計

病棟構成の基本プランに様々な設計要素を付加し、利用者にとって使いやすく、快適に過ごせる医療空間を具現化しました。

各室への移動を便利にする回遊性の動線

病室、スタッフステーション、汚物処理室など、患者様や看護師が頻繁に出入りする部屋間のアクセス性を高めるため、各フロアに回遊性の動線を設けました。動線を短くコンパクトにまとめることで、各室へのスムーズな移動を可能にしました。

2Fフロア案内図(療養病棟)

明るく、視覚的に分かりやすいデザイン

  • 待合室や病室、食堂・談話室など、患者様が利用する場所を中心に窓を確保し、多くの採光を取り入れる明るい院内としました。
  • 外来診察室の扉には、高齢者の方にも見えやすく分かりやすい色味、明度のはっきりしたカラーサインを採用しました。また、トイレや廊下の手すりは、壁などの背景色と同化しない色彩とすることで、患者様が安全に利用できるよう配慮しました。
外来待合
外来待合
1階車椅子WC
1階車椅子WC

緊急時に活用できるオリジナル家具を考案

待合室には、大成建設が家具メーカーと共同で考案した待合ソファーを設置しました。背板の取り外しが可能な構造で、高齢者の方々の身体寸法に合わせたつくりとしており、緊急時にはトリアージベッドとして利用することができます。

検査待合
検査待合

浦和の土地柄

設計本部 建築設計第四部設計室 三浦 友己

旧中山道の宿場町として栄えた浦和の土地柄を意識し、練色や渋紙色などの伝統色を外観のデザインに取り入れ、地域に密着した病院の佇まいを表現しました。院内のデザインを計画する際には、それぞれの部門の特性にあわせてメリハリのあるデザインとなるよう意識しました。例えば、外来エリアには明るい内装と明度のはっきりしたインテリアを設え、高齢者の方にもやさしい空間とする一方、健診センターはホテルライクな落ち着いた内装に仕上げました。

設計本部 建築設計第四部設計室 三浦 友己
健診センター受付
健診センター受付

設計本部 建築設計第五部設計室 青木 一朗

共済病院の皆様との対話を通して、普段どのように病院が運用されているのかを把握したうえで、患者様やスタッフの動線、物品の動線などを最適化したプランニングを行いました。共済病院の皆様は積極的に意見を聞かせてくださり、医療現場から生まれるアイデアは大変勉強になりました。設計者として、お客様とともに建物をつくることの喜びを実感するプロジェクトとなりました。

設計本部 建築設計第五部設計室 青木 一朗

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