医療法人 博仁会 共済病院

適正な規模・診療機能を備えた新病院

医療法人 博仁会 共済病院

STEP3:診療を止めずに、狭隘なスペースに新病院を建設

旧病院で医療活動を続けながら工事を行うという条件をクリアするために、旧・新病院の部分的な解体、建設、移転を繰り返す“ローリング”と呼ばれる建設手法を用いて施工を行いました。
新病院の計画地は、稼働中の旧病院に隣接した狭隘な空きスペースであったことから、病院運営に配慮した綿密な計画と高度な施工技術が必要とされました。

第1段階:既存病棟の改修および機能移転後、既存病棟(E・G・I・J)を解体

既存病棟での診療、新病棟の建設に影響の無いよう、インフラの盛替え、室変更のための改修工事を実施。病院機能を移転後、既存病棟の一部を先行して解体しました。

第2段階:新病院を新築

病院関係者様の迷惑とならないよう、病院車両と工事車両等の動線を分離。低振動、低騒音の工法を採用しました。

第3段階:新病院に機能を移転後、既存病棟(A・B・C・D・F)を解体

新病院の営業に影響の少ない倉庫等のスペースを最後に建設。工事の際には、新病院での診療に影響が無いよう、短期間で工事を完了するために施工方法を工夫しました。

第4段階:新病院の倉庫等のスペースを新築

新病院の営業に影響の少ない倉庫等のスペースを最後に建設。工事の際には、新病院での診療に影響が無いよう、短期間で工事を完了するために施工方法を工夫しました。

医療法人 博仁会 共済病院 常務・事務長 杉野 髙秀 様

医療法人 博仁会 共済病院 常務・事務長 杉野 髙秀 様

大成建設は、「病院の運営に支障をきたさないよう、主要な病院機能を1回で新病院へ移転するために、どのような手順でローリングを実施するべきか」という視点で、施工部門を中心に、プロジェクトに関わるすべての部署が密に連携し、知恵とノウハウを結集してくださいました。プロジェクトの初期段階から、施工を視野に入れた合理的な病棟計画、設計、移転計画を行えたことが、無理なく安全に、効率良くローリングを実現できたポイントと考えます。

STEP4:安全で効率の良い開業支援を行い、病院の負担を軽減

病院機能の移転・引越しを含む開業前の準備では、関連業者の選定、様々な調整業務、スケジュール管理など、病院様に掛かる負担は少なくありません。
今回のプロジェクトでは、当社のエンジニアリング部門が中心となり、医療機器・什器備品の調達業務と、移転・引越し業務の支援を行いました。

新病院の設計、施工、開業前の支援業務までワンストップでお任せいただくことにより、例えば、

  • 新病院に据付ける医療機器・什器備品の内容を事前に把握するため、建築・設備の設計に反映することができ、より使いやすい病院を具現化する
  • 工程の進捗に合わせて移転・引越しのスケジュールを計画できるため、患者様の搬送や医療機器の移動を最適なタイミングで安全に実施する

など、様々なメリットをもたらしました。

大成建設 エンジニアリング本部 情報ソリューショングループ 医療ソリューションチーム 村山 達雄

大成建設 エンジニアリング本部 情報ソリューショングループ 医療ソリューションチーム 村山 達雄

エンジニアリング部門では、安全かつスムーズに病院の開業準備を進めること、そして、開業後の高効率な運用を支援するため、病院の運用コンサルティングを展開しております。

共済病院様のプロジェクトでは、例えば「新病院ではどの医療機器を、誰が、どのような状況で、どういうふうに利用するのか」という視点でお客様と意見交換をしながら、開業後の運用を想定し、設計部門と共有しました。病院運営におけるムダ・ムリ・ムラを省き、その内容を設計などの他部門に展開することで、患者様やスタッフの方々の満足度を高める病院づくりを支えます。

医療法人 博仁会 共済病院 常務・事務長 杉野 髙秀 様

医療法人 博仁会 共済病院 常務・事務長 杉野 髙秀 様

プロジェクト当初は、開業準備に係る業務は自分たちで手配しなければならず、時間も労力も要するだろうと考えていました。そんな中、大成建設のエンジニアリング部門に専門のサポート体制が整っていることを知りました。
入院患者様を安全に移動すること、24時間停められない旧病院からの移転であることなどを考慮し、大成建設に依頼するメリットは大きいと判断しました。その結果、「建設会社がここまで出来るのか」と驚くほど、期待以上に手離れの 良い対応をしてくださり、感心しました。

完成から1年─病床の稼働率アップ、収益改善のための提案

新病院の完成から1年が経過する頃、共済病院様から、「建替えの影響で一時的に一般病床の稼働率が低減したので、回復したい」とのお話しがありました。
そこで、当社のソリューション営業本部医療福祉計画グループが中心となり、経営改善に有効な方法を一つ一つ検証して提案しました。その後、実現した内容の一例として、

  • 急性期看護補助体制加算など、これまで算定していなかった加算を検証・申請し、各種の加算を獲得
  • 医薬品の共同購入について助言を行い、業者を紹介し、薬価差益を獲得
  • 開放ベッドの活用により地域のクリニックと連携することで、患者様の紹介ルートを新規に確保

などが挙げられます。これらの結果、稼働率は85%にまで回復し、収益面も大きく改善されました。

加算の状況
加算の状況
急性期入院の理想的な加算の流れ(色付きの内容=共済病院様、要検討項目)
急性期入院の理想的な加算の流れ(色付きの内容=共済病院様、要検討項目)
大成建設 ソリューション営業本部ビジネス・ソリューション部 医療福祉計画グループ 盛田 潤

大成建設 ソリューション営業本部ビジネス・ソリューション部 医療福祉計画グループ 盛田 潤

当社では、40年以上前から医療福祉施設に注力した取り組みを進めており、多数の専門スタッフを養成しています。将来の経営を見据えた病院づくりを推進し、環境の変化にも適応できる経営戦略の策定を数多くお手伝いさせていただいております。今回、共済病院様の開業後におけるフォローの一環として、収支改善のお手伝いをさせていただき、短期間で効果が発揮されたことを嬉しく思います。新病院で、これからも患者様に寄り添う高度な地域医療が展開されることを願っております。

本ウェブサイトでは、お客様の利便性の向上及びサービスの品質維持・向上を目的として、クッキーを使用しています。
本ウェブサイトの閲覧を続行した場合は、クッキーの使用に同意したものとします。詳細につきましては、本ウェブサイトのクッキーポリシーをご確認ください。