老朽化した施設を建替え
医療提供の充実と地域社会との連携を図る

ソリューション
1階ピロティ
健診用の大型レントゲン車が通行可能な天井高さ、および自動車が対面通行できる広さを確保しました。


4階センターホール
椅子席を約170席設置できるセンターホールでは、講演会・セミナーなどを開催することができます。
また、ステージ下には災害時の避難用物資を収納できる引出しも設置されており、いざという時に備えています。


各フロアの機能
フロアの配色
フロアごとにカラーコーディネートを行い変化をつけました。
- 2階通所リハビリ室の扉:ピンク系配色
- 3階精神科デイケア室の扉:グリーン系配色
- 4階センターホール:ブルー系配色
明るい室内
各室内の窓を大きくすることにより、明るい室内空間を実現しました。
可動間仕切壁の採用
2階通所リハビリ室や3階精神科デイケア室は、可動間仕切壁にして、さまざまな用途に利用できるよう配慮しました。
ゆったりとした廊下
車椅子もゆったりとすれちがうことができるように、廊下には十分なスペースを確保しました。




近隣対策
近隣対策として、4階部分を一部セットバックしました。センターホールホワイエと屋上をデザイン的に一体化した空間になるよう配慮しました。


本館との連続性
外観は、本館のイメージにあわせて、横連窓と連続庇(日差し除けも兼ねている)を強調したデザインに統一しました。


大成建設担当者より

大成建設 本社 設計本部 井上 雅仁
南国病院様とは、病院本館建設当初からのお付き合いという事も有り、和やかな雰囲気の中で病院整備の打ち合わせが進められました。
今回の計画は、「南国病院発祥建屋の建替え」と「今後の在宅医療支援の要として役割を担う建築」という二つの意味合いがありました。院長先生の深い思いである、治療環境の向上・地域医療支援・在宅医療支援などを具現化するために、本館・在宅医療支援センターなどの施設規模決定までは、何回もの協議が行われ現在の内容に落ち着きました。
お陰様で、本館・在宅医療支援センター・グランド・看護宿舎と、南国病院建築群としての統一感も整い、地域医療の拠点に相応しい建物になったと思います。
必ず来るであろうと予想されている南海大地震への耐震補強も、病院本館で施され、災害時対応医療も可能になりました。
ハード面の構築は、ひとまず完了しました。次のステップで、又、お役に立てれば幸いです。

大成建設 本社 医療福祉本部 岡田 哲
南国病院のHPを見ると「地域との関わりの中での医療」という言葉があります。今回の計画はまさにこの言葉を充実した施設に具現化することであったと思います。病院のご希望をもとに、通所リハビリ・デイケア・作業療法などの医療施設の他に、地域の方も利用できる喫茶コーナー、地域のみならず学会での利用も想定したホールなどを設けました。
機能が多岐に渡る中
- 1関連する機能を適切に配置し、効率的な運営を可能にすること
- 2本院と公道を隔てた敷地でこれらの機能が法的に問題にならないかチェックをすること
- 3経営的に見た適正な投資規模に抑えること
以上が私たち計画部門の役割だったと考えています。結果として、全国的に見ても非常に充実した精神・神経系の在宅患者さんとその家族を支援する施設が出来たと考えております。
このインタビューを御願いした際に、新院長より平成18年の診療報酬改訂についての話題が出ました。一つは特殊疾患療養病棟の点数が廃止され平成20年4月1日からは療養病棟入院基本料を算定することになったために将来の点数に不安がでてきたこと、二つ目は全国で約7万床の病床削減が打出された精神病床を将来どのように扱えば良いのかということです。現在、病院を取り巻く環境は変化の真っ最中です。
このような時期に将来を予測して事業を継続していき、そして拡大させることは非常に判断の難しいことです。病院の夢を具現化することも大切ですが、その後の永続的な経営のためにお手伝いができるパートナーとして選ばれることこそ私たちの誇りと考えています。
工事概要
発注者 | 医療法人つくし会 在宅医療支援センター |
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所在地 | 高知県南国市大そね字亀田乙1259-5 |
竣工 | 2007年3月 |
延面積 | 2,582㎡ |
発注者 | 医療法人つくし会 南国病院 |
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所在地 | 高知県南国市大そね字亀田甲1479-3 |
竣工 | 1978年7月(設計 株式会社MA設計事務所) |
改修・整備工事 | 2006年3月 |
延面積 | 7,124㎡ |
URL |
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大成建設 四国支店 高知営業所 渡辺 英幸
本件は、1978年に当社が施工した南国病院の隣地に建設されたもので、2005年度にその病院本体の改修工事を行って評価を頂き、引き続き在宅医療支援センターの工事施工に至ったものです。
工事期間中は、現院長の中澤宏之氏や、父親であり医療法人つくし会理事長の中澤誠一郎氏の誠実なお人柄を反映するように、院内で働く全ての方々に気持ちよく協力していただきました。
定例会には院長、事務長、営繕担当者はもちろんのこと、看護師や調理師の方々も参画され、よりよいセンターになるよう熱のこもった論議がなされました。当社もその熱意に応えるべく、設計・施工一丸となって取り組ませていただきました。
院長室から現場が一望できるため、いつもご覧になられていたご様子で、「工事の段取りの良さに感心します。」とのお褒めの言葉をいただきました。
中澤院長・中澤理事長はじめ病院関係者全ての方々の想いがこもった在宅医療支援センターの工事に携われたことに喜びを感じるとともに、今後のアフターサービスやメンテナンスで、また評価をいただけるよう努力してまいりたいと思います。