御茶ノ水ソラシティ

御茶ノ水エリアの都市再生に寄与するまちづくり

地域と共生し、安全・安心で快適なビジネスと交流の新拠点が完成

プロジェクトの概要と背景

2013年3月にJR御茶ノ水駅前に完成した「御茶ノ水ソラシティ」は、東京都の都市再生特別地区の制度を適用して整備された、延床面積102,000m2の大型複合施設です。

  • 都市再生特別地区
    都市再生特別措置法により指定された都市再生緊急整備地域内において、都市の再生に貢献し、土地の合理的かつ健全な高度利用(既存の用途地域に基づく容積率などの規制によらない自由度の高い計画)を必要とする区域などを対象とします。各都道府県の都市計画により決定されます。
御茶ノ水ソラシティ(左)とワテラスタワー(右)
御茶ノ水ソラシティ(左)と
ワテラスタワー(右)
御茶ノ水ソラシティ 地図

御茶ノ水の新たなランドマークとして、ビジネス拠点であるとともに来街者や地域住民の交流拠点として成立することを目指した「御茶ノ水ソラシティ」建設プロジェクトは、御茶ノ水エリアの都市再生を目指した再開発事業の一環であり、大成建設株式会社、ヒューリック株式会社、安田不動産株式会社、および大成有楽不動産株式会社の4社が出資する「駿河台開発特定目的会社」が事業主体となって計画から約5年の年月をかけて実現しました。

御茶ノ水ソラシティ

ソリューション1:地域との調和を重視し、今後の発展に貢献する“まちづくり”

今回の都市再生事業は、1983年から2006年まで計画地にあった日立製作所の本社ビル移転に伴い、ビルの再開発計画が持ち上がったことを契機にスタートしました。

当初から参画していた大成建設では、都市開発本部が主体となって計画を検討するにあたり、地域住民や地元区である千代田区、地元のまちづくり協議会の関係者など、立場の異なる方々の様々な意見・要望を把握することから始めました。
その過程で例えば、

  • 歩行者ネットワークの改善(JR御茶ノ水駅と周辺各方面へのアクセス改善)
  • JR御茶ノ水駅、東京メトロ新御茶ノ水駅を結ぶバリアフリールートの実現
  • 駅前の拠点整備と賑わいの活性化

など、地域が抱えていた課題も見えてきました。

大成建設は、地域の方々の街への想いを丁寧に汲み取ることに努め、地域の声と自社の保有する都市開発・建設ノウハウを融合させることで、従来の課題の解決と地域の発展に貢献する“まちづくり”を計画し推進しました。

歩行者ネットワークを改善し、バリアフリールートへと整備

JR御茶ノ水駅と周辺各方面とをつなぐ快適な歩行者空間をつくることは、人々のアクセス利便性を向上させ回遊率を高めるため、周辺エリアの活性化に有効です。そのため、JR御茶ノ水駅と東京メトロ新御茶ノ水駅~御茶ノ水ソラシティ~ワテラス~淡路町駅を1本の動線で結ぶ歩行者ネットワークを整備し、エスカレーターやエレベーターなどを有機的に配置してバリアフリー化する計画としました。

ちょうど隣接街区で建設中であった「ワテラス」の施工を当社が担当していたこともあり、協働して、異なる街区間を接続する歩行者通路とブリッジを構築するというアイディアを実現することが出来ました。
新しいルートを開拓したことで新しい人の流れが生まれています。

御茶ノ水ソラシティとワテラスをつなぐ歩行者通路
御茶ノ水ソラシティとワテラスをつなぐ歩行者通路

約4,000㎡、地上・地下一体で駅とつながる公共広場

駅前のパブリックスペースとして地域に開かれた広場を確保できるような建物の配置計画とし、地上と地下の2層の広場で構成される「ソラシティプラザ」をつくりました。
地上広場は聖橋交差点側に約3,000㎡の緑豊かなスペースを確保しました。一方、地下広場は約1,400m2の吹抜け空間で、中央の広場を囲むように15の店舗が並ぶ構成です。今回の計画により、東京メトロ新御茶ノ水駅と直結しました。

立体都市広場「ソラシティプラザ」は地上広場(左)と地下広場(右)で構成
立体都市広場「ソラシティプラザ」は地上広場(左)と地下広場(右)で構成
地下広場

超高強度コンクリート

設計本部建築設計第一部 伊勢 季彦

地上広場の鉛直加重を支えるために地下広場に採用した柱には、250N/mm2の超高強度コンクリートを採用し、開放感のある広場空間としました。もし通常のコンクリートで施工している場合、柱の直径が1.0~1.2m程度になってしまうところを、超高強度コンクリートを採用することで直径40cmまで細くすることができ、圧迫感の少ない空間となりました。

この地上・地下一体広場は、大規模災害時には入居テナント様のみならず、周辺に勤務する方々が帰宅困難に陥った際の一時避難場所としても機能するよう計画しています。

設計本部建築設計第一部 伊勢 季彦

景観の記憶を継承

明治・大正時代の遺構を再生し保存

計画地にもともと残存した明治~大正期の遺構を保存・再生し、この地の景観の記憶を継承しました。明治中期のレンガ擁壁は歴史案内サインやベンチとして再利用し、軍艦山や淡路坂などの石垣も保存・再生しています。
また、大正6年に淡路町に建てられた蔵の内部の部材を再利用し、新たに「Gallery蔵」として復元しました。

歴史案内サイン
歴史案内サイン
Gallery蔵
Gallery蔵

関連情報

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