お知らせ
アップサイクル建築プロトタイプ「アップサイクルキャビン」を市民イベントに出展し、社会実証を実施
2025年6月24日
当社が参加する、「リスペクトでつながる「共生アップサイクル社会」共創拠点」・デジタル駆動超資源循環参加型社会コンソーシアム アップサイクル都市モデル分科会は、2024年度に制作した「アップサイクルキャビン」※1を、2025年5月24日(土)に鎌倉市役所駐車場にて開催された市民有志と市との共催イベント「ONE DAY PLAYPARK2025(ワンデイプレイパーク2025)」※2に出展し、社会実証を実施しました。
このイベントは、今後の鎌倉の未来を市民と市が一緒に体験する市民参加型のイベントで、出展したアップサイクルキャビンは、循環型社会におけるリサイクルしやすい「みらいの建築」としてお披露目されました。
イベント当日の様子
アップサイクルキャビンは、各種トークショーやアーティストの演奏ステージとして終日利用され、多くの来訪者でにぎわいました。幕間には、アップサイクルキャビンの中に入って壁や天井の素材に触れてもらうことで、リサイクル材で製作した建築物を身近に感じてもらうことができました。
アップサイクル建築に触れ、リサイクルの可能性を体感
アップサイクルキャビンは、プラスチックやおむつ、植木剪定材など、鎌倉市民から回収した資源のみならず、臨済宗大本山円覚寺で使用されていた古材、能登半島地震の影響で使えなくなった漁網、海洋漂着プラスチック等の材料を組み合わせた部材で構成されています。市民の皆さんは、それらが形を変え実際に街中の建築物として使われる姿を体験し、多種多様な素材のリサイクルの可能性を感じて驚いていました。

サーキュラーコードで資源情報を開示
アップサイクルキャビンを構成するひとつひとつの材料について、リサイクル前の製品や素材の情報を確認できるQRコード「サーキュラーコード」を貼り、素材情報のウェブサイトにアクセスできるようにし、資源循環に対する市民の意識醸成に貢献しました。

建築で使われた素材のさらなるアップサイクルアイデアを共に考える市民ワークショップを実施
アップサイクルキャビンは、リサイクル材料を用いて作られているだけでなく、資源を未来にストックする「しげんバンク」の機能を持ち、将来、新たな街の資源として再利用できるように取り外しやすく、解体が容易な構造を取り入れています。 市民ワークショップでは、端末の画面上でデジタルツインにより再現されたアップサイクルキャビンを構成する部材から、欲しい素材を取り外し、未来の街にあったらうれしいものを3Dモデルで製作するなど、子供たちと共に建築が地域の資源循環に貢献するための様々なアイデアを考えることができました。

今回の市民イベントを通じた社会実証では、大人から子供まで、幅広い年齢層の市民の皆さんに、身近な素材がリサイクルされ、アップサイクルキャビンのような建築物として自分たちが有効に利用できることを体験してもらいました。一人一人の資源循環への取り組みが、大きなアップサイクルにつながる可能性を感じてもらうことで、資源循環に対する市民の意識醸成につながると考えています。また、アップサイクル建築に関する市民の受容性調査や街中での有効活用方法についても貴重な実証の機会を得ることができました。
注釈
※1 アップサイクルキャビン
アップサイクルキャビンは、資源循環に配慮したアップサイクル建築のプロトタイプとして、当社が参加する国立研究開発法人科学技術振興機構 共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)「リスペクトでつながる「共生アップサイクル社会」共創拠点」・デジタル駆動 超資源循環参加型社会 共創コンソーシアム アップサイクル都市モデル分科会が、2024年11月に製作しました。